著者
高橋 一生
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.46-72, 2004-02-25
被引用文献数
2
著者
野坂 裕一 鈴木 光次 山下 洋平 齋藤 宏明 高橋 一生
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.273-273, 2011

2010年4月および6月の親潮域において,植物プランクトンの群集組成と光合成特性と共に,透明細胞外重合体粒子(TEP)分布の特徴を調査した.4月は珪藻ブルームが発生し,表層(5m深)における植物プランクトンの光合成活性が相対的に高かったのに対し,6月は珪藻ブルームが終焉し,光合成活性も低かった.4月における表層のTEP濃度は,6月と比較して,2-3倍高かった.観測期間中,表層のTEP濃度とSi(OH)4/NO3比の間に高い相関(r = 0.94, p < 0.01, n = 6)がみられたことから,珪藻類の栄養塩取り込み活性がTEP生産を支配していたことが示唆された.
著者
土井 威志 安中 さやか 高橋 一生 渡辺 路生 東塚 知己 栗原 晴子
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.105-129, 2021
被引用文献数
2

<p>熱帯域に関する近年の研究の進展をレビューするとともに,今後10 年程度で取り組むべき海洋研究の方向性に関して,物理・化学・生物の各分野を横断して論じた。特に,エルニーニョ・南方振動(ENSO)に焦点をあてた。ENSO の予測は,近年の物理的理解の進展によりある程度可能になった。一方,ENSO が,海洋の炭素吸収能,物質循環,生物生産,生物多様性などにどのように影響するのかについては十分に理解されていない。さらに,長期的な気候の変化に伴って進行する熱帯海洋の水温上昇・酸性化・貧酸素化に,ENSO の影響が重なることで,海洋生態系がより深刻な影響をうける可能性も指摘されている。このような事態に備えるために,ENSO に伴って海洋システム全体がどのように変動するのか理解を深め,高精度で予測することが,社会要請と相まって,益々重要になるであろう。今後10 年間では特に,Biogeochemical(BGC)Argoフロートによる観測データと地球システムモデルを両輪とした海洋システム研究の展開,ならびに船舶・係留ブイ観測や現場実験・観測など現地調査に基づくプロセス研究の拡充を進め,双方の知見を互いにフィードバックする必要がある。ENSO に伴う経年的な変動予測精度が最も高い熱帯太平洋は,海洋システムの真の統合的理解と予測研究を進めるための最適な実証基盤である。</p>
著者
皆川 修人 櫻井 伸行 高橋 一生 江村 菜津子 東間 千芽 橋爪 力 澤井 健
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.109, pp.P-93-P-93, 2016

<p>【目的】miRNAの生合成を抑制したマウス胚では胚性致死となることから,miRNAを介した遺伝子発現制御が初期胚発生において重要な役割を担うと考えられる。miRNA-34cは,マウス胚において1-細胞期から発現量が上昇し,その機能を阻害すると卵割が停止する。またmiR-93およびmiR-34aはマウス胚性幹細胞および人工多能性幹細胞においてSox2や,Nanogの発現を制御している。しかし,ブタ胚においては上記miRNAの発現動態およびその機能は不明である。そこで本研究ではブタ初期胚における上記3つのmiRNAの発現動態とmiR-34cが初期胚発生に及ぼす影響について検討した。【方法】ブタ卵子(M-Ⅱ期)およびブタ体外受精(IVF)胚の1-細胞期,2~4-細胞期,8~16-細胞期,桑実期および胚盤胞期でのmiR-34a,miR-34cおよびmiR-93の発現量を解析した(実験1)。またmiR-34cに結合し,その機能を阻害するmiR-34c inhibitorを1-細胞期胚に注入し,その後6日間体外発生させ,胚盤胞期までの発生率を検討した(実験2)。処理区は,miR-34c inhibitor区および特定のmiRNAの機能阻害効果も持たないNon-effect inhibitor区とした。【結果および考察】実験1において,3種のmiRNAはいずれも全発生ステージで発現が確認された。miR-34cおよびmiR-93については各発生ステージにおいて有意な差は認められなかった。miR-34aについては桑実期および胚盤胞期において,発現量が他の発生ステージよりも有意(P<0.01)に高い値を示した。実験2おいて,miR-34c inhibitor区およびNon-effect inhibitor区で発生率に有意な差は認められなかった。本研究の結果より,ブタ初期胚における3種のmiRNAの発現動態が明らかとなった。マウス胚においてmiR-34cは受精後の1細胞期から発現量が上昇するが,ブタ胚においては受精以前のM-Ⅱ期から発現が認められた。またmiR-34cに関しては,その機能阻害が胚発生に影響をおよぼさなかったことから,初期胚発生におけるmiR-34cの機能は動物種によって異なることが示唆された。</p>
著者
佐藤 匡 高橋 一生 市川 修治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1984, no.1, pp.119-124, 1984
被引用文献数
1

D-グルコースおよびD-ガラクトースを塩化チタン(IV)存在下メタノール中で光照射するとC5-C6位の結合が選択的に開裂し,相当するペントジアルドース誘導体を与えた。この反応は,1)フラノシド構造への異性化,2)C5,C6一位のヒドロキシル基とチタンによるキレート生成,および,3)このキレート内における電子移動,により進行すると考えられる。本反応の選択性はこの反応が第一級ヒドロキシル基を含む1,2-ジオール系でもっともよく進行するためと考えられる。
著者
櫻井 伸行 高橋 一生 江村 菜津子 皆川 修人 東間 千芽 橋爪 力 澤井 健
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.109, pp.P-92-P-92, 2016

<p>【目的】マウス胚において,内部細胞塊から胚盤葉上層(EPI)および原始内胚葉(PrE)への分化はFGFシグナルによって制御されている。FGFシグナルのリガンドであるFgf4はEPI前駆細胞から分泌され,隣接する細胞に作用することでPrE分化を促す。そのため,<i>Fgf4</i>欠損マウス胚はPrE分化に異常をきたし,胚性致死となる。一方,ウシ胚の発生および組織分化におけるFGFシグナルの役割は明らかでない。本研究では,ウシ胚の各発生ステージにおける<i>FGF4</i> mRNAの発現動態解析およびウシ初期胚に対するFGF4発現抑制実験を行い,ウシ胚の発生および組織分化におけるFGF4の役割について検討した。【方法】食肉処理場由来のウシ卵巣から卵丘細胞–卵子複合体を吸引採取し,体外成熟培養後に媒精を行うことで体外受精胚を得た。各発生ステージにおいてサンプリングを行い,<i>FGF4</i>の遺伝子発現量解析を行った。1細胞期胚の細胞質にFGF4発現抑制用のsiRNAを注入し,胚発生への影響を検討した。実験区はFGF4発現抑制区に加え,遺伝子発現抑制効果を有しないControl siRNA注入区および注入操作を行わないUninjected区を設けた。桑実胚を対象として,EPIの分子マーカーである<i>NANOG</i>およびPrEの分子マーカーである<i>GATA6</i>について遺伝子発現量解析を行った。【結果および考察】<i>FGF4</i>発現は16細胞期までは認められず,桑実期以降でのみ認められた。培養7日目における胚盤胞期への発生率は,Uninjected区(64.6%)およびControl siRNA区(60.1%)と比較してFGF4発現抑制区(20.6%)において有意(<i>P</i> < 0.01)に低い値を示した。FGF4発現抑制区における<i>NANOG</i>発現量は,Control siRNA区と比較して有意(<i>P</i> < 0.05)に高く,また<i>GATA6</i>発現量はUninjected区と比較して有意(<i>P</i> < 0.05)に低い値を示した。本研究では,ウシ胚の初期発生においてFGF4が重要な因子であることが明らかとなり,またウシ胚においてもFGFシグナルがEPI/PrE分化を制御する可能性が示唆された。</p>
著者
高橋 一生
出版者
Otsuchi Marine Research Center, Ocean Research Institute, the University of Tokyo
雑誌
Otsuchi marine science = 東京大学海洋研究所大槌臨海研究センター研究報告 (ISSN:13448420)
巻号頁・発行日
no.27, 2002-03-29

平成12年度共同利用研究集会「北海道, 東北沿岸の海草藻場ワークショップ」(2001年3月7日~9日, 研究代表者:相澤啓子)講演要旨
著者
高橋 一生
出版者
日本共生科学会
雑誌
共生科学 (ISSN:21851638)
巻号頁・発行日
vol.10, no.10, pp.18-27, 2019

The first global civilization has been characterized by the dominance of PaxBritanica to be followed by Pax Americana for the past 200 years. Based on thephilosophical underpinning of individualism, such factors and values as marketeconomy, democracy, freedom, human rights and the rule of law in the broadframework of the nation-states system have been globalized with, however,increasing sense of uncomfortableness with this trend in various parts of theworld. With the decline of the influence of the United States and with theemergence of alternative values based on perspectives beyond individualism, anew global civilization seems to be in the offing.It should be essential for the intellectual community to come to grips withthis phenomenon up-front at this historic moment in time. The objective of thispaper is to present a rough sketch of the issues involved in analyzing thischallenge. The first set of issues are related to the problems that tend to arisein the context of civilizational change. The second set of issues are related tothe substance of the new civilization. At the end of the paper a series ofgeneral observations will be presented.
著者
高橋 一生 瀧 宏文 山内 正憲 金井 浩
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学
巻号頁・発行日
vol.54, no.26, pp.S86-S86, 2016

<p>Since ultrasonography has insufficient performance in depicting the vertebral surface, most examiners perform epidural anesthesia using landmarks on the back without ultrasonography. The final purpose of this study is to improve the performance by ultrasonography in depicting thoracic vertebral surface.RPM method is one of the bi-static imaging methods, it estimates the reflection point on a target surface by intersections of plural ellipses, where the focal points of an ellipse are the position of a transmit element and that of a receive element.We investigated the performance of the RPM method in an experimental study using a phantom with a concave surface of a 2 cm curvature radius. The depicted region of concave surface acquired using the conventional method and the RPM method was approximately 14.8% and 17.7% of the whole concave surface, respectively. This result indicates that the RPM method has high performance in depicting sloping target boundary.</p>
著者
津田 敦 道田 豊 齊藤 宏明 高橋 一生 鈴木 光次
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

本研究は、DMSなどの生物起源ガスを計測するグループに海域の生物学的な情報を提供し、その変動機構を推測する一助となった。また、台風通過を再現する培養実験により、台風通過時には大型植物プランクトンである珪藻が卓越し海域の炭素循環や食物網構造を変えることを明らかにした。クロロフィルセンサー付きアルゴフロートは、台風には遭遇しなかったが幾つかのアノマリーを観測している。知見の少なかった亜熱帯の動物プランクトンに関しては、極域で特徴的にみられる、季節的な鉛直移動が亜熱帯種においても多く観察され、台風など時空間的に予測できない高い生産が、亜熱帯の生物生産を支えている可能性を示唆した。