著者
澤尻 昌彦 野村 雄二 谷本 啓二 滝波 修一
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

骨浸潤性腫瘍に対する放射線治療において照射後の骨の機能と形態の保存を目的としてメダカ(Oryzias)咽頭歯骨部を用いて放射線照射後の骨代謝,破骨細胞誘導の信号伝達物質を生化学的に計測してきた。骨浸潤性腫瘍においてはペリオスチンなどが高頻度に発現して骨代謝,石灰化,骨芽細胞の成熟に大きな影響を与えることが示されている。ペリオスチンの骨代謝に与える影響は明らかではないが,ガンマ線照射に比べて炭素線照射によってペリオスチンは増強され骨吸収が阻害されるだけでなく,骨芽細胞が産生される石灰化促進因子が増強される。このために骨の吸収阻害や放射線照射後の病的骨折防止に応用できる可能性が示された。
著者
澤尻 昌彦 野村 雄二 滝波 修一 谷本 啓二
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

放射線生物学や環境変異原の研究にメダカが利用され,咽頭歯骨には破骨細胞の存在するため放射線照射後の破骨細胞性骨吸収における変化の解析を試みた。放射線照射メダカの破骨細胞の活性を経時的に計測した。炭素線照射メダカでは抑制され炭素線照射によって破骨細胞の活性は低下することが示された。免疫染色によって破骨細胞誘導因子を確認すると炭素線照射メダカの咽頭歯周辺では破骨細胞誘導因子が阻害されることが示された。