著者
松崎 茂 牧野 駿一 伊東 充宏 内田 広夫 野首 光弘 松本 清一
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.809-813, 1995-08-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
11

不完全型精巣性女性化症候群を呈した男性仮性半陰陽の1例を経験した.主訴は,学童期になり気付かれた陰核肥大と鼠径部腫瘤であった.染色体は46, XY であった.内分泌検査では testosterone(T)と FSH が高値であった. dihydrotestosterone(DHT) はやや低値であった. T:DHT 比は22であった. hCG 負荷での反応は T, DHT 共に良好であり,T:DHT 比は17となった.女児として養育する方針とし手術を施行した.鼠径部腫瘤は精巣であり.これに連なる精巣上体と輸巣管も存在した、精巣,精巣上体,輸巣管を切除した、腹腔内検索では Muller 管由来の臓器や卵巣は存在しなかった.陰核には subtunical total reduction clitoroplasty を施行した、摘出精巣の病理学的検索では,精子形成細胞は存在せず, Sertoli 細胞と Leydig 細胞の増加がみられた.術後はホルモン補充療法を行なっている.
著者
中村 潤 菅原 斉 石井 彰 塚原 理恵子 出光 俊郎 眞山 英徳 渡辺 珠美 野首 光弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.8, pp.2053-2056, 2013-08-10 (Released:2014-08-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

症例は53歳,女性.入院5カ月前から掌蹠膿疱症に対しミノサイクリン(MINO)とビオチンの投与開始.1カ月前に発熱と筋痛を自覚.階段昇降が困難となり,両側下腿に隆起性紅斑が出現し入院.両薬剤を中止後,発熱,筋痛,紅斑は速やかに消失.紅斑の皮膚生検病理は壊死性血管炎の所見.ビオチン再開後も発熱と筋痛の再燃なく,MINO誘発性結節性多発動脈炎(MIPN)と診断.MIPNの報告は24例に過ぎないが,MINO内服中の新たな発熱,筋痛,紅斑などの血管炎様症状出現時には,薬剤性血管炎,特にMIPNも考慮すべきである.