著者
金 允姫 橋爪 真弘 本田 靖
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

気温は自殺との関連が高い気象因子として考えられ、気温の上昇と自殺リスクの増加に関する多くのエビデンスが報告されてきた。しかし、正確な気温-自殺の非線形関係を推定する研究は不足していた。本研究は、12カ国341都市・地域の自殺死亡者数と気象データを収集し、同一の統計解析法を用いて気温-自殺の非線形関係について包括的な研究を試みた。結果、気温-自殺の非線形関係は全体的に気温上昇に応じて自殺リスクの増加が観察されたが、非常に高い気温では、自殺リスクがもはや増加せず、水平状態に達したり、わずかに減少することが明らかになった。また、非線形推定曲線を介して自殺リスクが最大となる臨界温度範囲を確認した。