著者
岡村 聡 坂本 泉 金 容義 石塚 治 湯浅 真人 冨士原 敏也 藤岡 換太郎 倉本 能行 前田 仁一郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.7, 2007

孀婦岩構造線は,伊豆・小笠原弧を北部と南部に二分する大構造線であり,北北東―南南西方向の走向を示し,その東側斜面に沿って比高最大1500mの急崖が発達し,地殻の深部断面を観察することができる.<Br> 孀婦岩構造線の南東に位置する沢海山は,鮮新世の活動年代を示す火山フロント帯火山であり,島弧玄武岩の化学組成を示す.<Br> 孀婦岩構造線沿いに観察される地殻断面(孀婦地塊)は,後期中新世を示す塊状の溶岩・貫入岩とハイアロクラスタイト及び,それらを供給するフィーダーダイク・溶岩が観察される.孀婦地塊を基盤とする背弧側には中新世~鮮新世に活動した小海丘群が存在する.孀婦地塊と小海丘群の火成岩類は,いずれも背弧海盆玄武岩の特徴を示す点で共通するが,後者はIndian Ocean MORBタイプアセノスフェアの寄与が大きかったことを示唆する.