著者
田中 誠雄 金 東必 青木 陽二
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.246-248, 1999-01-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
7

中国に始まった山水画の一つに宋の時代に描かれた瀟湘八景画がある。これは我が国に伝わり, 日本人の風景観に大きな影響を与えた。室町時代に絵画として伝わって以来, 近江八景など多くの八景を日本の地形に見いだすことになった。日本の地に見いだされた現在に至るまでの八景の分布を明かにすることにより, 風景観としての八景の影響を明かにするものである。この資料では現在までに地方自治体により把握されている八景の分布と見いだされた年代を紹介するものである。回答の得られない自治体があるので, 今後の調査により八景の数は増加すると思われるが, 現在までの資料でも八景の影響の大きさを推定するに十分な価値を有する。