著者
金 貞花 シュマッカー ヤンディャク 藤井 聡
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.71-77, 2012

スペインの哲学者オルテガ(1883~1955)の著書「大衆の反逆」(1930)に基づいて、社会ジレンマの問題は「傲慢性」の因子という心理的傾向性に影響がある可能性が指摘されている。本研究では、交通需要マネジメント施策の賛同と共感意識形成問題を社会的ジレンマ中の一つと見なし、『傲慢性』が「交通施策に対する賛同と共感意識形成」と負の関係があるという仮説に基づき進める。さらに、政府に対する信頼、環境問題に対する認知、公共交通や自転車、徒歩などの環境にやさしい交通手段に対する意識といった心理的要因も施策への賛同と共感意識の形成に影響する要素と考えている。本研究では、まず、アンケート調査を通じて上に述べた心理的要因に関するデータを収集してTDM施策に、主に環境税に対する受容可能性に対し影響を及ぼすという仮説を設定し、検証する。