著者
石井 正紀 山口 泰弘 井角 香子 中村 友美 金井 淳子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

慢性閉塞性肺疾患 COPD) は、加齢に伴い進行し高齢者で多発する老年呼吸疾患である。肺の老化とも関連するCOPDでは、ビタミンD血中濃度低下が、肺機能低下や重症度と相関することが分かってきている。しかし、ビタミンDの補充がCOPDの進行を抑制するかは明らかになっておらず、今回、われわれは、肺特異的ビタミンD受容体過剰発現トランスジェニックマウスを作製し、ビタミンD受容体は、肺組織局所において、抗炎症効果の観点から、COPD増悪の抑制に寄与する可能性が示唆された。また喫煙は、肺胞上皮細胞におけるビタミンD受容体発現に対する負の制御因子としてその発現量の低下を誘導する可能性が示唆された。