著者
金岡 政彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.9, pp.530-534, 2023-09-01 (Released:2023-09-01)
参考文献数
25

巨大な顕微鏡と称される放射光施設では,放たれるX線の特性からラボ用分析装置では得られない極めて高い分解能の観察ができるため,さまざまな分野の最先端研究が行われている.この高分解能を得るには高精度光学素子の存在が不可欠であり,2nm以下という卓越した精度で表面を平滑化したX線全反射ミラーを安定供給しているのは筆者らの組織だけである.本稿では,このグローバルニッチトップ型ビジネスを支える独自のナノ加工技術の存在と,その実用化・事業化の成功について述べ,新たに進める技術の応用開発の一例を紹介する.