著者
金田 英宏
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

一般に宇宙望遠鏡の光学試験では、レーザー干渉計を用いて、平面鏡で光を折り返したオートコリメーション法による波面誤差測定を行う。しかし、1mを超える大きな望遠鏡では、同等サイズの平面鏡の製作が非常に困難である。そこで、小さな平面鏡を動かして多数回の部分開口データを測定し、それらを縫い合わせることで、開口全面の波面誤差を得る。本研究では、この原理に基づいて、望遠鏡を試験するためのソフトウェアアルゴリズムを開発し、実験で測定方法の検証を行った。また、面精度の悪い平面鏡を用いた時の、結果への誤差伝搬を評価し、その誤差を改善する新アルゴリズムの提案を行った。実際に試験を行い、新手法の有効性を実証した。