著者
大南 香織 小川 博之 林 光一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-10, 2008 (Released:2008-03-11)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

Hydrazine (N2H4) and NTO (dinitrogen tetroxide: N2O4) mixtures are used in spacecraft bipropellant systems, having the advantage, for sampling missions, of having no carbon composition. However, no reasonable hydrazine and NTO combustion model has been developed. To construct a hydrazine and NTO combustion model that is useful for bipropellant thruster CFD simulation, we extracted efficient elementary reactions from detailed kinetic reaction model proposed by Ohminami and Ogawa in 2007. The reduced hydrazine and NTO combustion model was composed of 61 extracted reactions with 23 chemical species and was coincident with the original detailed kinetic reaction model in terms of combustion gas temperatures and ignition delay times over O/F(oxidizer and fuel mass ration) =0.82-1.84. Also the simulated combustion gas temperatures were good agreed with the adiabatic flame temperatures, and the simulated ignition delay time at O/F=1.2 was consistent with the literature value. Chemical reaction paths before and after ignition were showed, and could explain hydrazine and NTO combustion network mechanism change.
著者
谷口 守 石田 東生 小川 博之 黒川 洸
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.443-451, 1995-08-31 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7

自動車交通問題の解決のためには、個人の交通手段選択を自動車から公共交通などにシフトさせることの重要性が指摘されている。しかし、そのための基礎となる都市の特性と交通手段選択の関係に関する実証的研究は不十分である。本研究では、全国の131都市を対象に、1970、80、90年の国勢調査報告の通勤・通学利用交通手段のデータを用い、各都市の通勤・通学交通手段分担率の地域的・時間的変化を把握すると共に、その都市特性との関連を判別分析、正準相関分析を通じて明らかにした。この結果、モータリゼーション化のばらつき特性、分担率変化の特性を把握するとともに、都市構造にまで言及しない交通政策の限界を指摘した。
著者
岩田 直子 小川 博之 宮崎 芳郎
出版者
The Heat Transfer Society of Japan
雑誌
Thermal science and engineering (ISSN:09189963)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.127-132, 2010-10-01

Experiments were conducted to verify whether an Oscillating Heat Pipe (OHP) with reservoir works as a temperature controllable thermal control device in space. We set the reservoir in 3 ways (vertical, horizontal, and vertically inverted directions) and confirmed that the OHP operates as a variable conductance heat pipe in each case. We also put the OHP vertically and confirmed that the OHP works even in the "top heat mode". It is concluded that the OHP does not lose its temperature control function of reservoir and heat transfer function of OHP by gravity.
著者
大南 香織 小川 博之
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.55-60, 2007 (Released:2007-10-18)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

宇宙機における二液式推進系は多くの研究がなされ,また多くの実績を持つ.その燃料としては,ヒドラジンは自然性・燃焼温度が高く熱制御が難しいことから,通常安定なMMH(モノメチルヒドラジン)が適用されてきた.しかしながら,近年,サンプルリターンをミッションとする宇宙機が多くになるにつれ,ターゲット天体へのスラスタによる汚染防止及び高比推力化を鑑み,ヒドラジン(N2H4)とNTO(四酸化二窒素;N2O4)の燃料/酸化剤の組合せの適用が求められるようになった.ヒドラジン-NTOに含まれるN/H/O系の燃焼反応は多くの研究がなされてきたものの,実際にヒドラジン-NTO燃焼モデルは確立されていない.そこで本報告では,ヒドラジン-NTOを用いた二液式スラスタ設計のための反応モデルを構築することを研究目的とし,その一環として,これまで発表された16論文を網羅的に調査し,そこから,ヒドラジン-NTO燃焼に関与するN/H/O系の245の素反応を抽出した.反応機構は各245素反応に対し、素反応及びArrhenius式で表される反応速度定数により表現した.集めた式は今後感度解析を実施することでヒドラジン-NTO系において有効な反応を抽出し,スラスタの燃焼解析に反映させる方針である.
著者
岩田 直子 小川 博之
出版者
社団法人 日本伝熱学会
雑誌
日本伝熱シンポジウム講演論文集 第47回日本伝熱シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.27, 2010 (Released:2010-05-19)

木星以遠の外惑星では太陽光の減衰が激しいため,深宇宙探査機にはラジオアイソトープ(RI)発電が有用である.RI発電は,RIの崩壊熱を電気エネルギーに変換して一次電池として使用するものであり,米国及びロシアでは1960年代から宇宙用電源として用いられてきた,実績ある電源である.その熱電変換器として最も多用されているのが熱電変換素子であり,これを用いたRI発電をRTGと呼ぶ.日本では,民生用の熱電変換素子の開発は行われてきたが,RTGへの利用は検討例すらない.宇宙用と民生用では使用する熱環境条件が大きく異なる.本件では,RIの代用として擬似熱源を使用し,宇宙環境を模擬した条件での熱電変換素子の性能評価を行う.
著者
北條 達也 井口 順太 高橋 仁美 小川 博之 Tatsuya Hojo Junta Iguchi Hitomi Takahashi Hiroyuki Ogawa
出版者
同志社大学スポーツ健康科学会
雑誌
同志社スポーツ健康科学 = Doshisha Journal of Health and Sports Science (ISSN:18834132)
巻号頁・発行日
no.4, pp.51-55, 2012-03-01

肋骨の疲労骨折は,ゴルフなどで生じる中位から下位の肋骨骨折がよく知られているが,第一肋骨の疲労骨折の報告は比較的少ない。われわれは,大学生チアリーダーに発生した第一肋骨の疲労骨折を経験した。左肩甲部痛で発症し,さらに左上肢尺側のしびれと痛みを自覚した。安静および低出力パルス超音波治療によって加療するも骨癒合は得られなかったが,1年後には競技に復帰できた。X線検査では評価が困難な同部位の評価に3DCTは,有用であった。
著者
山川 宏 小川 博之 藤田 和央 野中 聡 澤井 秀次郎 國中 均 船木 一幸 大津 広敬 中山 宜典
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.52, no.603, pp.148-152, 2004 (Released:2004-05-31)
参考文献数
4
被引用文献数
5 6

A magneto-plasma sail produces the propulsive force due to the interaction between the artificial magnetic field around a spacecraft inflated by the plasma and the solar wind erupted from the Sun. The inflation of the magnetic field by the plasma was proposed by a group of the University of Washington and the basic research has just started. This paper summarizes the characteristics of the magneto plasma sail by comparing with the other low-thrust propulsion systems, and investigates its potential application to near future planetary missions. Finally, an engineering satellite to demonstrate the magneto-plasma sail is proposed as a first step.
著者
中本 裕也 大和 修 松永 悟 内田 和幸 高沼 良征 坪井 誠也 小澤 剛 小川 博之
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.862-865, 2014

初期の臨床症状として視覚障害が認められ,剖検により神経セロイドリポフスチン症(NCL)と確定診断されたチワワの1例を報告する.本例の初診時には,視覚障害を除く神経学的な異常は認められなかった.眼科検査では,球後結膜,角膜及び視神経乳頭における異常が認められたものの,本症状への関連は否定的であった.中枢性視覚障害の確認のために実施した頭部MRI検査では,NCLのチワワに特徴的とされる重度な脳萎縮及び造影剤による髄膜の増強効果が認められた.今回の報告のとおり,NCLのチワワの初期臨床症状として視覚障害が認められる場合がある.若齢のチワワに視覚障害が認められた場合,眼科疾患と誤認されないように,チワワのNCL診断で有用とされる頭部MRI検査を早期に実施する必要がある.
著者
枝村 一弥 那須 広子 岩見 有紀子 西村 亮平 小川 博之 佐々木 伸雄 大河原 久子
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.129-135, 2004-02-25
被引用文献数
2

日本の各品種の豚における豚内在性レトロウイルス(PERV) proviral DNAの感染状況をPCRにて調査した.また,豚膵内分泌細胞(PE-cell)を含むバイオ人工膵島(Bio-AEP)を異種移植された実験的糖尿病犬の末梢血および脾臓を用いて,その感染の可能性をPCRおよびRT-PCRを用いて確認した.その結果,日本にいる各豚品種のすべてにPERV Oroviral DNAが検出され,今回用いた培養PE-cellにもPERV Oroviral DNAとmRNAの発現を認めた.しかし,PE-cellを異種移植したいずれの犬おいてもPERVのマイクロキメリズム,感染およびウイルス血症は認められなかった.したがって,免疫抑制剤を用いずにPE-cellの入った拡散チャンバー型Bio-AEPを移植した場合,PERV感染の可能性は極めて低いことが示唆された.
著者
小川 博之 小林 康徳 平木 講儒
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

固体ロケットプルームによる電波干渉の直接的原因として,(1)燃焼ガス中に含まれるアルミ・アルミナ粒子による散乱吸収,(2)燃焼ガス中に含まれる自由電子,を取り上げ,それぞれについて電波減衰量を見積もった実験で観測される減衰量,電波減衰の周波数依存性から,電波干渉の直接原因は燃焼ガス中の自由電子であると結論づけた.自由電子による電波減衰を評価するパラメタである,自由電子密度と電子衝突周波数を求めるための解析モデルを構築した燃焼ガス流れ中の自由電子密度変化を解析できるモデルにより,プルーム中の自由電子密度分布を求めたプルーム中の化学反応は凍結しており,自由電子のモル分率は変化しないこと,自由電子数密度は巨視的物理量から求めることができることを示した.混相流解析を行い,アルミ・アルミナ粒子が流れ場に及ぼす影響が小さいことを示した.1次元プラズマスラブを仮定した電波減衰解析,2次元プラズマモデルによる電波の伝播解析を行った.電波の回折・屈折の効果は無視できないことがわかった.電波減衰量は周波数に対して弱い負の相関があること,電子密度に比例し電子衝突周波数に反比例することを示した.地上燃焼試験において,電波とロケットモータプルームの干渉実験を行ったモータの燃焼末期を除き定性的に理論どおりの結果が得られた.自由電子数密度が理論よりも小さく見積もられたが,これは不純物Naの量を実際と比べて大きく見積もっていたためと考えられる.燃焼中モータプルームによる電波の変調はないことがわかった.燃焼末期の電波減衰の振る舞いは現時点では説明がつかないため,今後研究を継続して明らかにする必要がある.今後,実際のロケット飛翔へ適用できる解析ツールの整備を行っていく予定である.