著者
鈴木 利雄 川治 健一 関口 理希 石川 智士 伊藤 智博 立花 和宏
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.123-1128, 2016 (Released:2016-07-07)

関東大震災をきっかけに固定電話網の整備のためにダイヤル式電話機と自動交換機の技術のニーズは生まれ、黒電話が産声を上げた。終戦を経て高度成長期に黒電話の完成版600型が世に姿を表した。電電公社がダイヤル自動化100 %を目指す中、日本はオイルショックの狂乱物価に見舞われた。黒電話の製造コストを下げるため、完成されたと言われた黒電話600型をさらに改善することを余儀なくされた。山形大学工学部電気工学科を卒業して間もない鈴木を中心として山形県米沢市の田村電機で黒電話601A型ダイヤル開発が行われた。新しく開発された黒電話601A型は日本の家庭を電話で隅々までつないだといっていい。本稿はその開発の状況がいかがなものであったか時代背景とともに書き残すものである。