著者
鈴木 忠義
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.91-95, 1960
被引用文献数
2

今回の1958~1960の調査では、この地区の施設整備、周辺ルートの整備、一般の好景気にもとずくレクリエーシヨン情勢などの変化から、これまでの最高339,000人(1957)を10%も上まわる370,000人(1959)の最高の利用者を示したが、根本的な変化はみられない。しかし次の諸事項が変化として考察される。<BR>1定期バス、貸切バス、乗用車に海水浴目的が強くあらわれている。しかし、後2者は海水浴前後の回遊性が強い。<BR>2 鉄道はピークの発生時刻が早くなり、出のピークがこれまでのロング・ピークよりするどくなつてきている。<BR>3 通過性は貸切バスに減少が見られ、乗用車も、全体の増加から数の増加は見られるが、比率は減少の傾向にある。<BR>4 全体として現象が0.5~1時間早くあらわれてきている。<BR>5 乗用車の滞留時間が4~8時間と、複雑になつてきている。<BR>6 最高滞留時における利用密度は3.5~5.5m2/人でこれまでと同様、高い密度を示している。
著者
鈴木 忠義
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.5-9, 1956

片瀬江の島海水浴場における1952~1955の夏の各最盛期1日を利用者について調査した結果から次の考察を行つた。<BR>1. 十数万を海浜に運ぶ問題として鉄道輸送が重要な機関である。とくに直通性をもたすことが有利と考えられる。<BR>2. 貸切バスの海水浴への利用増加とその時間的集中性は極めて大きい。<BR>3. 自動車路線はそれぞれ利用上の特色が強くあらわれている。<BR>4. この地区では夏季でも通過交通 (自動車) が多い<BR>5.利用者は廻遊性ルートを好む。又特に帰途の直通性の要求も現れている。<BR>6. この地区えの利用者の到着時刻は10a.m.離散時刻は5p.m.頃である。<BR>7. 平均滞留時間は7時間である。<BR>これらの傾向からしてこの地区の今後の施設計画として、CGreの複数化、休憩及び静的レクリエイシヨン施設の導入、バス乗降場とモタープール、鉄道駅とビーチえの動線が重要課題といえよう。しかし海水浴という季節的影響の大きい洪水的利用のある一方、四季型観光地でもあるこの地区の実態は、他のシーズンの調査を必要とするのは当然であり、上記調査に基く結論がこの地区のレクリエーシヨン施設計画に対する最後的結論ではないことをおことわりしておく