- 著者
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鈴木 惠美子
武田 浩一
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.11, pp.1402-1412, 1989-11-15
- 被引用文献数
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17
ワードプロセッサが大量に普及し 日本語文書を電子的に作成 配布 印刷することが日常的になってきた.しかし 計算機上でできあがった文書の校正・推敲を行うといった高度のテキスト処理は 最近になってやっと研究が盛んに行われはじめたところで まだ実用化の段階には至っていない.我々従来より 機械可読な日本語文書を対象として入吾中の誤りや用語の不統一 言い替えた方がよい表現などを検出し 文書の校正支援を行うシステムについて研究してきたが 構造化された文書表現(構造化文書)とその上でのルール形式の校正知識表現を用いることが有効であるという結果を得た.すなわち 1)文書前処理段階でモデル化することにより 日本語文書のための応用プログラフ実行時には字句解析を行うことなく 単語や文節 段落や文書全体といった単位を扱うことができる 2)校正知識は構造化文書上の高レベルの述語として記述できる 3)文書校正知識を複数の段階(入力時と作成時)で利用できるように 対話的文書校正とパッチ的校正が提供できる といった特長を実現できた.本報告では 我々の開発したシステムとその校正知識 ワードプロセッサを使用した実験により得られた誤りの分類およびその検出可能性について述べる.また 構造化文書の応用として重要語を検出する機能についても検討している.