著者
鈴木 拓弥 小林 真 長嶋 祐二
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.3, pp.560-568, 2018-03-01

聴覚障害学生を対象とした授業では,聴覚の代行として視覚情報による支援が中心となる.しかし,実技演習時の細かな操作を教示する場合やタイミングが重要とされる場面では,視覚情報を中心とした手法では不十分な教示状態があることが分かってきた.本論文では,視覚によって提示される情報保障の一部を触覚によって伝達する手法を考案し,教員の実演内容を触覚情報によって提示する教示支援システムSZCAT (SynchroniZed Click Action Transmitter)を開発した.そして,開発したシステムの効果に関する基礎的研究として,従来からの手法と,触覚情報を追加した手法とを比較し,触覚情報提示の有効性を検証した.その結果,触覚情報を追加したことによる視線移動の減少効果や,教示内容の見逃しや誤認識を軽減させる効果について確認できた.