著者
酒井 洋 鈴木 文直 小林 国彦 後藤 功
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.671-676, 1993
被引用文献数
2

症例は, 結核性瘢痕性左主気管支狭窄と思われる62歳の女性。労作時呼吸困難で発症し, 左無気肺が進行したため, バルーン拡張術にて狭窄部を拡張し, 直径10mm, 全長30mm, 2連のGianturco-Rosch型self-expandable metallic stentを留置した。無気肺は直ちに改善し, 6カ月後の現在経過は良好であり, 本法の有用性を示した。本法の良性気管・気管支狭窄に対する適応としては, 0.035インチのガイドワイヤーと先端径3mmの拡張用バルーンカテーテルが狭窄部を通過でき, 局所に活動性の感染が無い例であると思われた。また, metallic stent挿入時には, 挿入用シースが咽喉頭部で屈曲することがあり, 最初から挿管チューブを併用すべきであると思われた。
著者
酒井 洋 鈴木 文直 吉井 章 米田 修一 野口 行雄 吉田 清一
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.941-945, 1990-10-20

16歳女性.健診の胸部X線写真で右後縦隔に5×4cm大, 第10胸椎の破壊を伴った球形の腫瘤陰影を指摘され, エコー下生検で骨巨細胞腫と診断, 手術にて全摘, 胸椎掻爬, 腓骨移植が行われた1例である.胸椎より発生したものとしては本邦11例目であり, 縦隔腫瘍像を塁した胸椎巨細胞腫としては本邦で2例目である.