著者
鈴木 明子 一色 玲子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

生活実践への自己効力感の下位項目「数的処理」「分析的思考」等 と家庭科布ものづくり学習への好意度との間に小中学生で相関がみられ,小学生では一般性自己 効力感の因子項目と同好意度との間にも相関がみられたことから,布ものづくり学習への好意度 が増せば,生活実践への自己効力感や一般性自己効力感の向上につながることが示唆された。ま た中学校の二つの授業を分析することによって,製作過程で思考を深める場面を設定することが,「技能への自信」等の生徒の自己評価を高め,製作活動への好意的意識をもたせることに効果的 であることが明らかになった。
著者
村上 かおり 鈴木 明子 一色 玲子 藤井 志保 林原 慎
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.39, pp.225-230, 2010

2012年から全面実施される中学校新学習指導要領技術・家庭, 家庭分野では, 浴衣など和服について調べたり着用するなどして, 衣生活文化に関心をもたせたり, 和服の基本的な着装を扱うことが有効な手だてとなり得ることが述べられている。そこで本研究では, 衣生活題材における製作教材をカジュアルベストから甚平に代えて, 衣生活文化に着目した題材を提案した。本題材は広島大学附属三原中学校にて平成22年度中学3年生を対象として行った。指導にあたっては, 幅広く衣生活に関心を持ち, 学んだことを生かせるように, 個性に応じた着装の工夫という視点に加え, 甚平をなぜ作るか, どのように作るか, どう活用するかの道筋を示し, 課題を解決しながら学ばせた。また和服についての調べ学習を行わせ, 身近な衣服や技術が我が国の伝統や文化の中で受け継がれていることに気付かせることをねらった。その結果, 甚平製作を通して, 生徒は和服の特徴や衣生活文化について多くの気付きを示した。このことから, 甚平製作が衣生活文化の題材として有意義であることが示唆された。しかし実習時間の不足という課題も改めて認識できた。