著者
鈴木 正也 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.1-4, 2010-02-27

実生活空間において人間と共存するロボットには,歩行者が存在する動的な環境を認識し,衝突することなく自律移動をする能力が求められる.本論文では,このような動的環境において安全に移動可能なロボットを提案する.ロボットはレーザレンジファインダにより周囲の距離情報を取得し,あらかじめ用意した環境地図と比較することで自己位置推定および歩行者検出を行う.次に,カルマンフィルタにより次時刻における歩行者位置を予測する.また,斥力場の算出に歩行者速度を考慮したポテンシャル場法を用い,ロボットの移動経路を決定する.これにより,ロボットは歩行者の移動方向を認識し,早期に経路変更を行うことが可能となる.実験の結果,提案ロボットが歩行者と衝突することなく目的地まで移動できることを確認した.