著者
田中 卓也
出版者
静岡産業大学経営研究センター
雑誌
環境と経営 : 静岡産業大学論集 = Environment and management : Journal of Shizuoka Sangyo University (ISSN:13415174)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.31-43, 2020-06

戦後の「女学生」を対象とした二誌は、女子中学生・高校生ら「ジュニア」世代を誌面内容や附録などを工夫しながら、巧妙に読者に取り込んだ。誌面づくりのために、生き残りをかけて少女の心を引き留めることに苦心した。しかしながら両誌は、発刊および廃刊の時期は異なるものの、「女学生」としての教養の習得をめざすことは忘れておらず、クイズや懸賞形式を採用しながらも誌面に学習教材としてのものを掲載し続けた。しかしながら『女学生の友』はその後、ジュニア向けファッション誌『プチセブン』に、『女学生コース』は、『中1コース』、『高1コース』のように学習内容を残しながらも、ファッション、マンガなどの要素をとりいれたものへと変化を遂げることになり、「娯楽」や「流行」を求める少女雑誌の台頭を促すことになった。
著者
須部 宗生 梅本 孝
出版者
静岡産業大学
雑誌
環境と経営 (ISSN:13415174)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.141-155, 2004-06
被引用文献数
1
著者
田中 卓也
出版者
静岡産業大学経営研究センター
雑誌
環境と経営 : 静岡産業大学論集 = Environment and management : Journal of Shizuoka Sangyo University (ISSN:13415174)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.47-54, 2019-12

本研究では、芸能雑誌『明星』(集英社)を取り上げ、多くの女性ファンの心をつかむことに成功した男性アイドルについてとりあげ、男性アイドル観がどのように形成されたのかについて考察・検討を試みるものである。また男性アイドルが、「スポーツ」と「恋愛」について、どのように結びついていくことになったのかについて見出すものである。 1960年代初頭にジャニー喜多川が手掛けた4人組グループの「ジャニーズ」が「野球」を通じて交流した若い青年が最初のジャニーズタレントになって以降、現在に至るまで、多くのタレントを排出した。彼らは「野球」をはじめ、様々なスポーツと関わるなかで、若い女性から人気を博すことになった。女性にとっての男性アイドル観は、「新御三家」に始まり、「たのきんトリオ」の登場で形成されはじめ、「SMAP」に至るまで以後多くの女性から愛される(恋愛対象としての)存在になっていった。『明星』誌は、スポーツと恋愛が女性ファンと結びつける装置としての機能を有した。
著者
山田 一之
出版者
静岡産業大学経営研究センター
雑誌
環境と経営 : 静岡産業大学論集 = Environment and management : Journal of Shizuoka Sangyo University (ISSN:13415174)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.93-101, 2020-12

令和2年は春先からの新型コロナウイルス感染拡大によって新学期の開始が遅れ、学生は4月から5月上旬にかけてほぼ1か月間自宅待機を余儀なくされた。予期せぬ長期の臨時休業は、学生に大きな心理的負担を与えたと考えられる。そこで、自宅待機中の学生の生活・学修および心理状態について検討するために、5月上旬の新学期始業時に、自宅待機の1か月間の学生の過ごし方についてアンケート調査を行った。その結果、半数以上の学生が自宅待機期間を休みであると考えていた一方、規則正しい生活を送っており、健康状態も比較的良好であったことが明らかにされた。また、自宅待機中の学修態度に関しては、半数以上が自主的な学習を行っていたが、同様に半数以上の学生が遠隔学習の開始について不安を抱えていた。自宅待機中の心理状態に関しては、退屈であった、人と会えなくて寂しかった、不安であったなど、未知の体験によるストレス状態に置かれた学生が多かったことが明らかにされた。本研究の結果は、本格的な遠隔学習導入の際の学生対応について示唆を与えるものであると同時に、長期間の自宅待機を経験した学生の学修およびこころのケアのための基礎資料となると考えられる。