著者
鈴木 猛康
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_152-I_160, 2012 (Released:2012-07-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1

2011年東北地方太平洋沖地震では,牡鹿半島で水平方向に5.3mの地殻変動が観測されたのをはじめ,地殻変動は東北地方にとどまらず,関東,中部,そして近畿地方まで及んだ.この地震の後,山梨県の西湖では,湖面上のボートがゆっくりと1m程度の振幅で上下に振動し,湖岸では津波のような波が押し寄せ,魚や貝が岸に打ち上げられた.本論文では,西湖の近くで観測された地震動に含まれる1分程度の長周期地震動成分を分析し,その卓越周期と西湖の閉鎖水域の断面形状に基づいて定義されるセイシュの1次固有周期を比較している.さらに,西湖の模型を製作し,模型の閉鎖水域を長周期地震動の卓越方向に加振することにより,模型の矩形の閉鎖水域の長辺方向に大きな水面変動が発生することを確認している.その結果,本論文では,2011年東北地方太平洋沖地震の際に西湖で見られた津波のような現象を,サイスミック・セイシュによって説明するものである.
著者
鈴木 猛康 田村 重四郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.525, pp.275-285, 1995-10-21
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

1985年ミチョアカン地震の際, メキシコ市でシールドトンネル軸方向の引張およびねじり変形に起因する被害が発生した. このような軸方向変形に対しては, シールドトンネルの覆工体とその外周の地盤の間に免震層を形成し免震構造とした場合, 地震時に覆工体に生じるひずみを大きく軽減させることができる. 本論文では, シールドトンネルの免震構造の免震効果を評価する方法として, 軸対称有限要素を用いた簡易モデルによる数値解析法を提案するとともに, パラメトリック・スタディーによりひずみの低下率によって免震効果を定量的に示している. また静的安定解析により, 0.5に近いボアソン比を有する免震層とすることが, 地表面沈下を抑制する意味から重要であることを示している.
著者
鈴木 猛康
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_152-I_160, 2012
被引用文献数
1

2011年東北地方太平洋沖地震では,牡鹿半島で水平方向に5.3mの地殻変動が観測されたのをはじめ,地殻変動は東北地方にとどまらず,関東,中部,そして近畿地方まで及んだ.この地震の後,山梨県の西湖では,湖面上のボートがゆっくりと1m程度の振幅で上下に振動し,湖岸では津波のような波が押し寄せ,魚や貝が岸に打ち上げられた.本論文では,西湖の近くで観測された地震動に含まれる1分程度の長周期地震動成分を分析し,その卓越周期と西湖の閉鎖水域の断面形状に基づいて定義されるセイシュの1次固有周期を比較している.さらに,西湖の模型を製作し,模型の閉鎖水域を長周期地震動の卓越方向に加振することにより,模型の矩形の閉鎖水域の長辺方向に大きな水面変動が発生することを確認している.その結果,本論文では,2011年東北地方太平洋沖地震の際に西湖で見られた津波のような現象を,サイスミック・セイシュによって説明するものである.
著者
鈴木 猛康
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.554-564, 2009 (Released:2011-04-30)
参考文献数
9

地震や豪雨等により災害が発生した際,災害対応の最前線となる市町村の庁内情報共有を支援するため,各種防災情報システムが導入されている.災害対応という危機的状況下で使われるツールであることから,防災情報システムのアプリケーションには高いユーザビリティが要求される.本論文では,筆者らが開発し,試験的に運用中である災害対応管理システム(庁内情報共有システム)について,ワークショップを通して収集したユーザーの意見を反映させ,また実際に情報入力を繰り返しながら,ユーザビリティに関する大幅な改善を行い,システムの更新を行っている.また更新システムを用いて地方自治体職員による入力評価実験を実施し,システムのユーザビリティ向上を確認するとともに,ユーザビリティ向上に対する各改善項目の相対比較について,AHP手法を適用した分析を試みている.