著者
森本 浩行 西形 達明 西田 一彦 玉野 富雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.806, pp.45-54, 2005-12-21
参考文献数
15
被引用文献数
1

城郭石垣は, 個々の石垣石の大きさや加工の状態, 基本勾配や反りの量などの違いによって様々な断面形状を形成しており, 同じ形状のものは存在しない. これら石垣形状に影響を与える各種要因を考慮した石垣構築の技術的な変遷について解明を進めた結果, 基本勾配や反りの量は石垣石の加工状況に大きく影響されていることが明らかとなった.
著者
高橋 浩一 松本 伸 大河内 保彦 龍岡 文夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.777, pp.53-58, 2004-12-20
被引用文献数
4

りんかい線大井町駅部は, 用地上の制約から, シールドトンネルのセグメントの一部を撤去し, 隣接する立坑間を地中開削し, 接合して構築した. この際下部シールドトンネルが, 水圧300kN/m<sup>2</sup>を超える東京礫層に位置するため, 止水対策が最重要視された. 工期上の制限から, 薬液注入工法を採用し, 注入を1次, 2次, 補足注入の三段階とし万全を図るとともに, 注入効果を比抵抗トモグラフィ等で確認した. 確認試験結果は注入の良好性を示し, 補足注入も1次注入の1/10以下であった. さらに, 漏水のリスク低減のためのディープウェルを計画し, 三次元浸透流解析で事前検討を行なった. その結果, 大きな漏水もなく, ウェルの水位低下量, 地表面沈下等も予測と矛盾のない範囲で安全な施工が達成された.
著者
家田 仁 上西 周子 猪股 隆行 鈴木 忠徳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.576, pp.69-82, 1997-10-20
参考文献数
29
被引用文献数
18 17

1995年1月の阪神大震災においては, 脆弱な建築物と貧困な街路インフラに起因して, 瓦礫や電柱の倒壊により, 数多くの場所で街路が閉塞し, 救助, 消火, 物資輸送などの救援活動など, あらゆる防災活動の局面で多大な影響を及ぼした. 本研究では, こうした街路閉塞による街路の機能的障害に着目し, 1) 既往の地震における街路閉塞の発生状況と既往の防災計画のスタンスを把握するとともに, 2) 航空写真を用いて街路閉塞現象を数値的に捉え, 3) その発生要因を考察し, さらに4) 街路閉塞が緊急活動に及ぼした影響を調査して, 今後の防災計画や都市計画のあり方を検討した.
著者
小峯 秀雄 緒方 信英
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.701, pp.373-385, 2002-03-21
参考文献数
18
被引用文献数
5 8

高レベル放射性廃棄物の地層処分において, 処分孔や坑道を充填する緩衝材や埋戻し材には膨潤性や低透水性が要求されており, ベントナイトを用いた材料が有望である. 本論文では, 緩衝材や埋戻し材の設計に資するため, 砂とベントナイトの配合割合が5~100%の砂・ベントナイト混合材料および海外産を含む4種類のベントナイトの膨潤圧および膨潤変形について実験的に調査した. その結果, 膨潤特性に及ぼす砂・ベントナイトの配合割合, 乾燥密度, モンモリロナイト含有率および交換性陽イオンの種類と組成の影響を明らかにした. また, 著者らの提案するパラメータ「モンモリロナイトの膨潤体積ひずみ」により, ベントナイトの種類に応じて膨潤圧・膨潤変形特性を統一的に評価できることを示した.
著者
森川 高行 田中 小百合 荻野 成康
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.569, pp.53-63, 1997-07-20
参考文献数
6
被引用文献数
7 12

非集計行動モデルに代表される合理的選択モデルは, 社会の中における他者の影響を無視した狭義の合理性に基づいたものであるが, 今後の公共計画や政策の評価には社会的相互作用下の行動や評価の分析が不可欠と考えられる. 本研究は, 社会的相互作用のもとでの人間の合理性に着目した個人選択理論の再構築を試み, 他者の効用レベルを考慮した離散型選択モデルの一手法を提案することを目的とする. また, 提案したモデルを都市における自動車利用自粛行動の意識分析に適用している.
著者
及川 康 児玉 真 片田 敏孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.786, pp.89-101, 2005-04-20
被引用文献数
2 3

本研究では, 水害の進展過程に応じて住民が周辺状況の変化を察知し, 種々の災害情報を入手する中で, それをどのように受け止めて危機意識の形成に結びつけるのか, さらには, 如何にして対応行動に移すのか, という一連の心理的過程と対応行動の関係に着目し, その特性を時系列的かつ定量的に把握した. これらの検討では, 水害時における避難勧告・指示の発令は直接的に住民の避難行動の意思決定に影響を与え, 避難準備情報は家財保全行動を促す効果を持つこと, また, それら避難情報が発令される以前に提供される災害情報は, 早期の危機意識の醸成を促すことなどを定量的に示した. また, 洪水ハザードマップの公表等による事前の災害教育の実施により, 住民が自宅の潜在的浸水可能性を正しく認識し, 対応行動に反映させる効果を示した.
著者
片田 敏孝 児玉 真 桑沢 敬行 越村 俊一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.789, pp.93-104, 2005-05-21
被引用文献数
3 17

2003年5月の宮城県沖の地震では, 三陸沿岸各地で震度4~6弱が観測され, 津波襲来が直ちに懸念された. しかし, 地震後に著者らが宮城県気仙沼市の住民を対象に実施した調査によると, 津波を意識して避難した住民は, 全体のわずか1.7%であった. このように避難率が低調となった要因を把握するため, 住民の避難行動とその意識的背景を分析した結果, 避難の意思決定を避難情報や津波警報に過度に依存する姿勢や, 正常化の偏見による危険性の楽観視, 過去の津波経験による津波イメージの固定化といった住民意識の問題点が明らかとなった. 本稿では, これらの問題点を解決するための津波防災教育として, 固定化された津波災害のイメージを打破すること, また, 情報に対する過度な依存心を改善することの必要性など, 今後の津波防災のあり方を提言した.
著者
山本 泰彦 武田 厚 長合 友造
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.704, pp.187-199, 2002-05-20
被引用文献数
1

十分な空気を混入したコンクリートが約半日から14日までの各材齢に保有している耐凍害性能を通常の急速水中凍結融解試験によって実験的に調べた. 実験結果の解析には, 試験中にセメントの水和が継続する影響を排除する手法として著者等が過去の研究で提示したデータ解析手法を適用した.<br>本研究では, 若材齢コンクリートの耐凍害性も, 強度および含水量に大きく左右され, 水セメント比の直接的な影響は小さいこと, 飽水状態にあるコンクリートに満足すべき耐凍害性を付与するためには24N/mm<sup>2</sup>以上の圧縮強度が必要であること等を示した. また, 寒中コンクリートの養生方法に関し, わが国で標準となっている湿潤養生よりも封かん養生に近い養生方法を採ることが望ましいことを示した.
著者
宮川 房夫 川口 廣 水谷 進 吉村 和彦 粥川 幸司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.528, pp.17-30, 1995-12-20
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

シールド工法による近接施工では, 施工中の周辺の地盤挙動のみならず既設の構造物への影響も把握することが必要である. そこで本研究では, シールド施工による地盤挙動の予測手法の一つとして3次元FEM解析を用いることを検討している. 解析では, シールド工事における施工過程のモデル化を行い, 更に施工中の地盤変状の主要因と考えられる切羽圧, 裏込め注入圧に着目してこれを荷重条件として用いている. ここでは, トンネル離間0.40~0.80mの単線並列泥水式シールド工法で施工された京葉線西八丁堀トンネルについて, 本解析手法を適用した3次元FEM解析を行い, その地盤変状にっいて計測結果との比較検討を行った.
著者
勝地 弘 多田 和夫 北川 信
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.543, pp.163-173, 1996-07-21
被引用文献数
3 1

長大橋の耐風設計においては, 自然風特性をモデル化したうえで, 対象構造物に作用させた場合に予想される応答現象を風洞試験, あるいは数値解析によって評価するが, 完成後の実橋においてこれらの結果を確認した例は少ない. 本研究では, 長大橋の耐風設計法を取り上げ, 本州四国連絡橋の大鳴門橋, 南備讃瀬戸大橋での強風時の動態観測データを基に, その妥当性について考察を加えた. その結果, 自然風の空間相関特性を指数関数によって定式化する現行の設計法に改良の余地が認められるとともに, 構造系に対する風荷重低減の可能性が示唆される結果などを得た.
著者
中川 大 波床 正敏 伊藤 雅 西澤 洋行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.590, pp.43-50, 1998-04-20
被引用文献数
2

交通需要予測や空港選択など国際間交通について分析する際に, 空間的抵抗を表す指標としてこれまで用いられてきた「所要時間」は, 定義が不明確である上, 必ずしも適切に利便性を反映したものとはなっていないという問題点があった. そこで本研究では, 国際交通の分析のための指標として, 地点間の期待所要時間を意味する「積み上げ所要時間」の考え方に着目し, まず空港選択モデルと海外出国者発生量モデルを構築することによって, この指標の有効性を示す. そのうえで, これを用いて国内各都市の国際交通の利便性についての分析を行う.
著者
木村 賢史 西村 修 太田 祐司 三嶋 義人 柴田 規夫 稲森 悠平 須藤 隆一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.720, pp.15-25, 2002-11-22
被引用文献数
2 2

葛西人工海浜における造成後の魚類, 鳥類及び, 水辺植生の遷移の過程を検討した. 東なぎさの魚類種数は造成終了前後の時点に回復しているが, 個体数は変動が大きく河川水による塩分濃度の低下が制限要因と推測された. 葛西人工海浜 (東なぎさ) の鳥類は立ち入り禁止という高い安全性と干潟の面的広がり等により造成前の種数に戻っており, 個体数は, 主な餌である底生動物の個体数と関連することが推測された. また, 東なぎさの水辺植生は, 造成後15年を経て遷移初期のヨシ湿原の段階にあり, 植生も多様化の傾向に向かっていると推測された.
著者
高橋 和雄 中村 百合 清水 幸徳
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.604, pp.85-98, 1998-10-20
被引用文献数
3 2

本研究は, 雲仙普賢岳の火山災害における被災者用の応急仮設住宅の建設, 環境改善, 解体に至るまでの経緯を調査し, 災害救助法に基づく被災者用の応急住宅対策の課題を明らかにする. さらに, 応急仮設住宅入居経験者に対して実施したアンケート調査をもとに, 住環境, 周辺環境, 精神衛生対策などについて分析し, 長期災害時の住環境管理めあり方を議論する.More than ten thousands inhabitants were obligated to stay places of refuse for a long time without their ordinary works during volcanic eruption of Mt. Fugen in Unzen. 1455 temporary dwellings were built to give relief to the suffers. The disaster relief law was stretched to cope with the size of family in this area. Living environment of the dwelling was improved and disaster mental health was checked to support evacuees living in the temporary dwelling for a long time. In the present paper, management on living environment of temporary dwellings is studied by reports and questionnaire survey and compared with the case of earthquake disasters.
著者
鈴木 基行 秋山 充良 山崎 康紀 松中 亮治 土井 充
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.648, pp.9-21, 2000-05-20
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究では, 信頼性理論に基づき, 地震開始時から任意時刻までにおける構造物および構成部材の破壊確率を算定する手法, およびマルコフ過程を用い構造物の破壊確率および構成部材の損傷確率を算定する手法を提案した. 提案された手法は, 破壊確率と損傷確率により構造物および構成部材の破壊と損傷の時間的推移を定量的に評価できる特徴を有する. さらに, 提案された手法に基づき, 支承 ―RC橋脚― 杭基礎から構成される橋梁システムの地震時における安全性評価を行い, 支承, 橋脚, 杭基礎の破壊および損傷が橋梁システムの安全性に及ぼす影響について検討した.
著者
片岡 俊一 大町 達夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.675, pp.63-71, 2001-04-15
被引用文献数
1 1

本論文では, 盆地内のやや長周期地震動を簡便に推定する手法を提案する. ここで提案する手法は, 盆地内のやや長周期地震動は震源から到来する地震動と, 盆地境界部で生成される盆地生成表面波とで構成されるとし, 前者の地震動は平行成層モデルで求め, 後者は盆地境界におけるエネルギー流量の保存則を用いて推定するものである. 本論では, まず推定手法の説明を行い, 次に単純な形状をした盆地モデルに提案手法を適用し, 三次元境界要素法の計算結果と比較することで手法の妥当性を示す. さらに, 兵庫県南部地震を対象に, 関西地震観測研究協議会の福島観測点および尼崎観測点における地震動を推定し, 観測記録と比較することで, 提案手法が実地震にも適用可能であることを示す.
著者
中西 仁美 土井 健司 柴田 久 杉山 郁夫 寺部 慎太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.793, pp.73-83, 2005-07-20
被引用文献数
5 3

イギリスでは市民生活の質の向上を国家レベルでのサステイナビリティ実現の前提条件と位置づけ, 政策レビューにQoLインディケータ (QoLIs) を用いている. 本稿は, イギリスにおけるQoLIsシステムの導入経緯とわが国の政策運営への示唆を明らかにしている. イギリスでは, エンドアウトカムに着目して市民生活の改善度を測るQoLIsは, 政策への市民の関心を高め, 行政と市民との対話や自治体間の連携を容易にしたと評価され, QoLIsを政策インプットにフィードバックする方法も考案されている. しかし, 現状のシステムは政策レビューには有効ではあるものの, 事前のアセスメントへの適用には課題を抱える. 本稿ではこのようなQoLIsシステムの限界を捉えた上で, わが国におけるQoLの改善を全体目標とした総合アセスメントの考え方と, QoL最大化のための政策設計の必要性を示唆している.
著者
山田 幹雄 松島 保志 佐野 博昭 奥村 充司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.637, pp.165-175, 1999-12-20
参考文献数
24

本研究では建設副産物の有効利用の一環として, また, 補修周期の延伸化の一策として, 再生混合所に搬入したアスファルトコンクリート発生材の一次選別時に生じるグリズリフィーダ通過材を活用した路床構築の可能性について検討した. 模擬路床の構築試験に先立ち, 室内で粒径を揃えた材料を安定材とともに試料土に加えて<i>CBR</i>や一軸圧縮強さの推移を調べたところ, 混入量を多くするほど安定処理効果は大きくなることが確かめられた. さらに, 構築試験および事後試験からは, 粒度組成にかかわらず舗装の施工基盤として具備すべき締固め度や支持力は十分に確保されること, 改良路床土の固化の進行には路床温度が関与すること, 耐水性を通常の安定処理土と比較してもとくに遜色のないことが示された.
著者
野村 哲郎 外井 哲志 清田 勝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.625, pp.125-133, 1999-07-20
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

本研究は, 道路網における案内標識の最適配置に関して, ネットワーク上における迷走の最小化をはかることを目的とし, その数理モデルの提案およびアルゴリズムの開発を行ったものである.<br>目的地の案内方法としては地名または路線番号方式および併用型とし, その設置箇所は交差点流入部に限定している. 運転者の迷走度の表現として到達迷走度を導入している. 最適化の考え方としては, すべてのODの到達迷走度の和を最小化する立場を提案している. 最適化の数理モデルでは, 運転者の迷走度に関する指標を目的関数とし, 標識設置リンク数および案内1方向あたりの表示数を制約条件として, 解法には動的計画法を適用し, 計算例により地名, 路線および併用型案内の性質を示している.
著者
堀口 良太 桑原 雅夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.653, pp.29-38, 2000-07-20
参考文献数
2
被引用文献数
1

本研究では, ノンストップ自動料金収受 (ETC) 料金ゲートが従来の一般ゲートとともに設置された際の, 料金所全体での容量に関する理論的解法を提案する. すなわち料金ゲートの構成, 運用形態とともに, 料金所手前の道路形状および渋滞の延伸状況を考慮して, ETCの混入率に応じた料金所の容量を求めるものである. この理論的解法より, 一般ゲートとETC混用ゲートでの運用の場合, 料金所全体の容量改善割合は混用ゲートの数によらずETC混入率にのみ依存すること, また一般ゲートとETC専用ゲートでの運用の場合, 一般ゲートからの渋滞が本線にまで延伸すると, 本線がブロックされることによる見かけの容量低下を評価することができる. 本稿ではさらに, いくつかのケーススタディを通して, ETC整備のあり方について考察を加える.