著者
鈴木 航太 鈴木 達也 小野 弓絵
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.137, 2017

<p>中側頭回は視聴覚情報の統合を担っていると考えられており、音楽に合わせて指示されたステップを行う視聴覚統合運動タスク(ダンスゲーム)遂行時におけるステップの時間的正確性(スコア)と中側頭回活動の持続性には正の相関がみられる。本研究は中側頭回の易活動性がダンスゲームの上達過程に与える影響を調べるために、左中側頭回の活動を経頭蓋直流刺激(tDCS)により亢進、抑制したときの運動の時間的正確性の変化を計測した。18人の若年成人に対し、anode、cathode、shamの電気刺激をランダムな順番で異なる3実験日において適用し、tDCS刺激前1回と刺激後3回の繰り返し施行におけるスコアを比較した。被験者全体では、測定回数による主効果のみ有意であり、電気刺激の種類との交互作用はみられなかった。楽器あるいはタスクと同様のリズムゲームの経験により分類すると、経験者はanode刺激、未経験者はcathode刺激において繰り返し施行後のスコアが刺激前に比べて有意に増加した。電気刺激の効果が視聴覚と運動の統合を必要とする訓練の経験量の違いによって異なって現れたことから、ダンスゲーム課題遂行における中側頭回の役割は訓練によって可塑的に変化していることが示唆された。</p>
著者
石渡 貴之 長谷川 博 柳田 信也 鈴木 航太 松村 健 中川 晃
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

体温調節機構においては視床下部の視索前野/前視床下部(PO/AH)が特に重要な部位であり,セロトニン(5-HT)が熱放散機構,そしてドーパミン(DA),ノルエピネフリン(NE)が熱産生機構に関与していることが示されている.本研究では,自発運動によるPO/AHの脳内神経伝達物質の変動及び体温調節に及ぼす影響を解明することを目的とした.自発運動群は非運動群に比べて,安静時の心拍数が低いという結果が得られた.また,深部体温に関しても,昼夜の高低の変動がハッキリしており,メリハリがあることが明らかであった.更に自発運動群のPO/AHのDAとNEが非運動群と比べて有意に高い結果であった.