著者
中川 晃成 萩原 宏
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.137-138, 1994-09-20

現在、計算機における実数の表現には、IEEE方式などの固定長指数部を持つ表現を用いることが一般的である。固定長指数部を持つ表現では、指数部のビット長を小さい数(例えば、IEEE方式では単精度のとき8bits、倍精度のとき11bits)に固定せざるを得ないため、容易に桁あふれを起こすという欠点を持っている。これを防ぐための一つの提案は、表現すべき数の絶対値により指数部のビット長を変化させるというものである。この可変長指数部を持つ表現のうち、浜田の方法は実数の二重指数分割表示を用いることにより指数部のビット長を表現それ自体に含めた点に顕著な特徴がある。最近、横尾は自然数に対するprefix-code列を用いることにより、浜田の方法の優れた性質をほぼそのまま保ちつつ一般化出来ることを示した。横尾はそのうち彼の記法で表現F 011(x)が指数部のビット長の点から優れた表現であると述べている。本論文では、ビット長の点からこれより良い表現はいくらでも存在することを示す。桁あふれを起こさないための今一つの提案は、実数にその絶対値の大きさに応じて`level'を定義し、levelにより表現方式を変化させるというものである(level-index system)。浜田の方式の一般化で得られるある意味で極限の方式がlevel-index systemと本質的に一致することを示し、両者の相違点を明らかにする。全表現ビットを固定したときの実数の表現は、有限個の二進列を数直線上に割り当てる問題に他ならない。この割り当ての方法の数学的自然さ、定義の単純さ、変換の容易さより、多重指数部を持つ実数表現方式の標準案としてはH2(x),H∞(x)がふさわしい。
著者
中川 晃
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
AAOS Transactions (ISSN:27582795)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.210-215, 2022 (Released:2022-09-16)
参考文献数
12

The Japanese music industry has changed significantly since around 2000, and the music package market has declined by 60% in the last 20 years. It has been said that this is due to the progress of ICT. Meanwhile, the live concert market has grown about five times in the same period. The purpose of this study is to investigate and analyze music fans and the music fan community, assuming that there are changes in both besides the progress of ICT. As for the survey method, I conducted questionnaire for Generation X, Y, and Z each, and a quantitative survey. I adopted the t-test as an analysis method. As a result, I discovered there are many specificities that Generation Z requires. In the past, individual music fans and the music fan community wanted artists and music viewing only, but due to the peculiarity of the Generation Z, the existence of the fan community has become “a place to interact with fellow fans”, "a place where you feel belonging to the fan community”, “a place where you approve your existence”, and “a place where you are". In this way, it suggested the traditional fan community has changed.
著者
網岡 尚史 渡邊 敦之 大塚 寛昭 赤木 達 麻植 浩樹 中川 晃志 中村 一文 森田 宏 小谷 恭弘 新井 禎彦 笠原 真悟 佐野 俊二 伊藤 浩
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.SUPPL.1, pp.S1_110, 2017-08-28 (Released:2018-08-28)

症例は17歳男性.4年前より運動時に胸痛,失神を認め,症状は増悪傾向であった.他院にて電気生理学的検査まで含めた諸検査を施行するも原因不明であり当院に紹介,入院精査となった.入院時に施行したトレッドミル負荷試験にて心電図上,aVRにST上昇が出現,補充調律に移行,また著明な血圧低下,胸部絞扼感,前失神症状を呈した.冠動脈の器質的異常を疑い冠動脈CTおよびCAGを施行したところ左冠動脈は右冠尖起始であり,主幹部は大動脈と肺動脈に挟まれ圧迫,変形していた.失神の原因は左冠動脈圧排による虚血と診断し心臓血管外科に紹介,手術加療の方針となった.冠動脈起始異常は臨床上,しばしば認められる先天的異常であるが,若年者の突然死の原因ともなり得る.若年者における繰り返す失神の一因として冠動脈起始異常は考慮すべきと考えられ,啓蒙的に報告する.
著者
山口 佳昭 中川 晃 渡邊 英昭 久門 良明 榊 三郎 佐々木 潮 畠山 隆雄 西原 潤 麗 憲行
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.10, pp.672-678, 2000-10-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
21
被引用文献数
1

脳室内に限局した出血で, 出血源が不明であった原発性脳室内出血(PIVH)15例について, 臨床症状, 治療および予後について検討した.対象症例の平均年齢は62.2歳で, 65歳以上の高齢者が約半数を占めていた.神経学的局所症状を示す症例はなく, 主たる症状は意識障害で, 脳室内出血の程度に比例して増悪傾向を示した.特に第3または第4脳室に鋳型状血腫が存在する症例では, 意識障害が高度であった.年齢や既往歴の有無と重症度との関連性は認められなかった.7例に脳室ドレナージを行い, うち2例にはウロキナーゼを脳室内に投与した.経過中に合併症を併発した2例以外は良好な転帰であった(GR9例, MD4例).脳室内出血の程度と転帰には相関はなかったが, 第3ないし第4脳室に血腫が充満する症例では転帰不良の傾向があった.また高齢者であっても比較的良好な転帰であり, 年齢は予後不良因子ではないと考えられた.以上の結果から, PIVHでは出血量が多い重症例や高齢の症例であっても, 積極的な治療を行うことで良好な予後が期待できると考えられた.
著者
中川 晃 山口 哲生 高尾 匡 天野 裕子
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.1361-1366, 1995-12-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
20

当院における小柴胡湯・インターフェロン-αによる薬剤性肺臓炎の症例は5例であった. 全例基礎疾患にC型慢性肝炎またはC型肝硬変を有していた. 使用薬剤はインターフェロン-α単剤1例, 小柴胡湯単剤2例, 両者の併用2例であった. このうち3例では気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中のリンパ球増多を認めた. インターフェロン-α単剤による1例では, BALF中の好中球増多を認めた. 薬剤によるリンパ球刺激試験 (DLST) は末梢血で4例, BALFで3例施行し全例で陽性であった. 当院の慢性肝炎・肝硬変患者における, 小柴胡湯・インターフェロン-αによる薬剤性肺臓炎の発症頻度を調査したところ, インターフェロン-α単剤投与群では0.5%, 小柴胡湯単剤投与群では0.7%, 両者の併用投与群では4.0%であった. 小柴胡湯とインターフェロン-αとの併用により, 薬剤性肺臓炎の発症頻度が高まる傾向が認められた.
著者
五嶋 実波 和田 幹生 松島 和樹 大阿久 達郎 中川 晃輔 北川 景都 木村 沙江 金井 伸行
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.2-9, 2022-03-20 (Released:2022-03-23)
参考文献数
33

目的:COVID-19流行による外来受診の変化を評価する.方法:2019年と2020年の4・5月における家庭医療センター初診患者の診療録を,後方視的に参照した.人数,年齢及びプライマリ・ケア国際分類で分類した臓器別健康問題と受診理由を全患者,小児と成人領域患者に分け2019年と2020年で比較した.結果:2019年と2020年で,対象者は1159人と859人(男性は48%と53%),1日平均患者数は25.2人と17.9人(p<0.001),平均年齢は48.4歳と52.4歳(p=0.010).主な臓器別健康問題(2019年:2020年)は,小児で呼吸器45%:32%(p=0.026),消化器18%:5%(p=0.003),成人で呼吸器23%:16%(p<0.001),皮膚20%:15%(p=0.011).結論:COVID-19流行下で外来患者数は減少し,臓器別健康問題の内訳が変化した.
著者
青景 聡之 平山 隆浩 塚原 紘平 高 寛 清水 一好 中川 晃志 岩崎 達雄 笠原 真悟 内藤 宏道 中尾 篤典
雑誌
第46回日本集中治療医学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-02-04

【背景・目的】ECMOには抗凝固療法が必須であり、出血や貧血を代償するため輸血が用いられる。輸血需要に関連した患者の臨床的特徴、凝固管理、予後については十分に解明されていない。本研究では輸血需要が増加しやすい患者の特徴を明らかにし、リスクに応じて異なる抗凝固戦略の必要性について考察する。【方法】2013年1月から2018年8月までの成人ECMO症例 67例のうち、96時間以上のECMO使用例、30例を研究対象とした。導入前後に開胸手術、Central ECMOを要した症例は除外した。入院時の臨床的特徴および、導入から7日目まで(離脱・回路交換を行ったものはその時点まで)の輸血量と凝固パラメータを評価した。1日あたりの平均赤血球輸血量の中央値は240 ml/dayであったため、少量輸血群(<240ml/day)13例と多量輸血群(≧240ml/day)17例の2群に分類し、臨床的特徴と凝固パラメータ、予後について解析した。【結果・考察】臨床的特徴・予後を表に示す。多量輸血群ではVA ECMOの頻度が高かった。年齢・性別・APACHE/SOFAスコアは両群間で差はなかった。管理面では、多量輸血群で、血小板値が低く、ヘパリン使用量が少ない反面、APTTは延長していた。ACTとECMO期間に差はなかった。VA ECMOでは、VVよりも出血が生じやすい可能性があり、輸血量に反映された可能性がある。【結語】輸血量が多い群ではVA ECMOの割合が多かった。VAではVVと異なる抗凝固戦略の必要性が示唆された。今後はさらに解析をすすめ、VAとVVの患者背景と管理法の違いを明らかにしていく。
著者
秋葉 崇 小川 明宏 寺山 圭一郎 土谷 あかり 中川 晃一 榊原 隆次 丸岡 弘
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.695-699, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
16
被引用文献数
2

〔目的〕足関節底背屈運動が血行動態と自律神経系に与える影響を検討し,起立性低血圧の対処法としての一助とすること.〔対象と方法〕対象は健常男性8人(年齢28.8 ± 5.3歳)とした.プロトコルは,5分間の安静座位の後,1分間の足関節底背屈運動を行い,再度5分間の安静座位を保持した.その間,循環動態と自律神経の反応を評価した.〔結果〕心拍数,一回拍出量,心拍出量は,安静時の値と比較して,足関節底背屈運動中の値が有意に高値を示した.また,その効果は運動後1分まで持続した.LF/HF,HFなどの自律神経系の反応は,有意な変化が認められなかった.〔結語〕足関節底背屈運動の即時効果が認められ,その効果は1分程度持続した.足関節底背屈運動が,起立直後の血圧低下を回避する方法としての一助となる可能性が示唆された.
著者
中川 晃成 萩原 宏
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第49回, no.基礎理論及び基礎技術, pp.137-138, 1994-09-20

現在、計算機における実数の表現には、IEEE方式などの固定長指数部を持つ表現を用いることが一般的である。固定長指数部を持つ表現では、指数部のビット長を小さい数(例えば、IEEE方式では単精度のとき8bits、倍精度のとき11bits)に固定せざるを得ないため、容易に桁あふれを起こすという欠点を持っている。これを防ぐための一つの提案は、表現すべき数の絶対値により指数部のビット長を変化させるというものである。この可変長指数部を持つ表現のうち、浜田の方法は実数の二重指数分割表示を用いることにより指数部のビット長を表現それ自体に含めた点に顕著な特徴がある。最近、横尾は自然数に対するprefix-code列を用いることにより、浜田の方法の優れた性質をほぼそのまま保ちつつ一般化出来ることを示した。横尾はそのうち彼の記法で表現F 011(x)が指数部のビット長の点から優れた表現であると述べている。本論文では、ビット長の点からこれより良い表現はいくらでも存在することを示す。桁あふれを起こさないための今一つの提案は、実数にその絶対値の大きさに応じて`level'を定義し、levelにより表現方式を変化させるというものである(level-index system)。浜田の方式の一般化で得られるある意味で極限の方式がlevel-index systemと本質的に一致することを示し、両者の相違点を明らかにする。全表現ビットを固定したときの実数の表現は、有限個の二進列を数直線上に割り当てる問題に他ならない。この割り当ての方法の数学的自然さ、定義の単純さ、変換の容易さより、多重指数部を持つ実数表現方式の標準案としてはH2(x),H∞(x)がふさわしい。
著者
石渡 貴之 長谷川 博 柳田 信也 鈴木 航太 松村 健 中川 晃
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

体温調節機構においては視床下部の視索前野/前視床下部(PO/AH)が特に重要な部位であり,セロトニン(5-HT)が熱放散機構,そしてドーパミン(DA),ノルエピネフリン(NE)が熱産生機構に関与していることが示されている.本研究では,自発運動によるPO/AHの脳内神経伝達物質の変動及び体温調節に及ぼす影響を解明することを目的とした.自発運動群は非運動群に比べて,安静時の心拍数が低いという結果が得られた.また,深部体温に関しても,昼夜の高低の変動がハッキリしており,メリハリがあることが明らかであった.更に自発運動群のPO/AHのDAとNEが非運動群と比べて有意に高い結果であった.
著者
中川 晃成 木村 欣史 一瀬 暢宏 松岡 建介 西村 賢二 井原 功一郎
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 = Journal of Japanese Society of Oral Implantology (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.287-292, 2001-06-30
被引用文献数
49

We evaluated the validity, using the Dental Prescale system, of implant-retained fixed prosthesis on masticatory efficiency in unilateral free-end partial edentulism, compared with a removable partial denture. The population of this study was as follows: implant-retained fixed prosthesis for unilateral free-end dentition, 7; removable partial denture for unilateral free-end dentition, 7; upper or lower single complete denture and the natural dentition on the opposite side, 5; complete edentulism with complete denture wearing, 5; natural dentition, 7.<br/> In the present study, total occlusal force, the occlusal force support rate of the rehabilitation area, the change of occlusal forces on the teeth nearest the edentulous area, and the asymmetry index were evaluated, and the results were as follows:<br/> 1. Both the total occlusal force and the occlusal force support rate of the implant prosthesis were superior to the removable partial denture.<br/> 2. The occlusal force on the teeth nearest the edentulous area was increased with the removable partial denture, while the implant-retained prosthesis decreased.<br/> 3. The implant-retained prosthesis showed more symmetrical occlusal force than the removable partial denture.<br/> In summary, it was suggested that the implant-retained prosthesis is more suitable than a removable partial denture to obtain the appropriate occlusal force and to protect the residual teeth.