著者
鈴木 萌々香 氏家 悠太 高橋 康介
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第19回大会
巻号頁・発行日
pp.15, 2022 (Released:2022-04-20)

複数の顔写真を周辺視野に次々に提示すると不気味さや歪みを感じる(FFDE)。本研究ではFFDE刺激として顔全体提示、上半分提示、目のみ提示、目非提示、輪郭非提示の5条件を用いて、顔の各部位がFFDEの強さに及ぼす影響を検討した。実験では250 msごとに写真を切り替えながらFFDE刺激を10秒間提示し、刺激観察中に歪み知覚が生じたらボタンを押すこと、刺激提示後に歪みと不気味さの主観的強度を7段階で回答することを求めた。実験の結果、提示する顔部位により歪みや不気味さの主観的強度が異なり、顔全体>輪郭非提示>上半分>目非提示>目のみ提示の順となった。また刺激観察中に歪みを知覚するまでの潜時も提示する顔部位により異なっていたが、主観的強度の順序とは乖離が見られた。以上の結果から顔の全体処理がFFDEの生起に関与すること、またFFDEの強度と潜時には異なる決定要因が存在することが示唆された。