著者
榊原 弘之 倉本 和正 菊池 英明 中山 弘隆 鉄賀 博己 古川 浩平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.658, pp.221-229, 2000

本論文では, がけ崩れに寄与する重要要因の抽出を目的として, ラフ集合を用いたデータマイニングを山口県のがけ崩れ発生・非発生データに対して実施する. まず, 地形要因データにおける重要要因を抽出し, 比較的少数の要因によって, 大部分のがけ崩れ発生・非発生を矛盾なく説明できることを示す. さらに, 地形要因と降雨要因を組み合わせたデータへも同様の手法を適用し, 降雨時に警戒対象とすべきがけの選別手法を示した. 本論文により, ラフ集合によるデータマイニングを土砂災害の発生・非発生データの分析に用いることができることが明らかとなった.
著者
佐藤 丈晴 荒川 雅生 中山 弘隆 鉄賀 博己 古川 浩平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.707, pp.153-163, 2002

降雨によるがけ崩れ発生予測としてがけ崩れ発生限界雨量線 (CL) の設定手法が提案されている. しかしながら, 従来のがけ崩れ発生限界雨量線はほとんどが線形で示されており複雑な自然現象を再現しているとは言い難い. またその的中精度が低い問題がある. そこで本研究では, 従来のがけ崩れ発生限界雨量線の問題を解決するために, 包絡分析法 (DEA) を応用して警戒避難基準雨量の設定を試みた. 本手法では降雨データの分布のみから, 最適な警戒避難基準雨量の設定ができる. そして, がけ崩れの予測に関する検討を行い従来のがけ崩れ発生限界雨量線と比較して精度の向上を確認した. さらに警戒基準雨量, 避難基準雨量の設定を試み, 従来手法との比較を行いその有用性を検証した.