著者
鎌原 勇太
出版者
慶應義塾大学大学院法学研究科
雑誌
法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (ISSN:0916278X)
巻号頁・発行日
no.90, pp.103-136, 2011

一 はじめに二 民主主義指標における「民主主義」の定義三 民主主義指標の歴史―その発展過程と問題点四 民主主義指標の現状と課題 (一) 「最大限主義的」定義対「最小限主義的」定義 (二) 構成要素の多様性 (三) 「類型」対「程度」 (四) ポリティ・スコアに対する批判五 民主主義指標の作成に関する今後の可能性六 おわりに
著者
鎌原 勇太
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

最終年度である本年度は、新たな民主主義指標を作成するという研究課題に基づき、研究実施計画三年目に沿って、民主主義指標を作成した。1.昨年度に引き続き、民主主義の構成要素についてデータ収集を行った。本研究の民主主義指標を構成する要素の一つである予算審議日数は、これまで体系的に収集されてこなかった独自のものであり、資料的に非常に価値のあるものであると考えられる。また、収集したデータを合成した民主主義指標を作成し、国際比較を行った結果、既存の指標では区別できなかった民主主義国間の民主主義の程度の違いを明らかした。さらに、本指標を用いて、民主主義と経済成長との間の関係について暫定的な計量分析を行った結果、それらの間には負の関係があることが明らかとなった。2.研究発表:平成21年度に行った既存の民主主義指標のレビューに関して、「民主主義指標の現状と課題」と題した論文として刊行した。また、民主主義指標め利用に関して方法論的に考察した研究を日韓学術交流シンポジウムで報告した。そして、公共選択論をテーマとする研究誌『公共選択の研究』に、「民主主義指標と『プラグマティック・アプローチ』」として刊行した。さらに、本研究で作成した民主主義指標に関する研究成果の一部については、アメリカで行われたMidwest Political Science Associationの研究大会や日本政治学会の研究大会、そして国際シンポジウムで報告した。3.本研究の研究成果と意義:(1)従来の研究が見逃してきた民主主義の新たな構成要素の発見、(2)民主主義指標の方法論の発展、(3)新たな民主主義指標の作成、(4)民主主義の効果測定、が挙げられ、本研究分野に大きく寄与したと考えられる。