著者
長 雄希 國部 雅大
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第20回大会
巻号頁・発行日
pp.84, 2022 (Released:2022-11-24)

創造性は一般的に, 現在行っている課題から注意が逸れて自発的な思考を行うマインド ワンダリング(以下 MW)と関連があることが明らかになっているが, スポーツ領域におけ る両者の関係性は未だ明らかにされていない。また, サッカーにおいて, スポーツに特化 した創造性はポジションや競技経験との関連が深いことが報告されているが, これらの要 因と MW の関係性は不明である。そのため, 本研究ではサッカー経験者における創造性, MW 傾向の相違, ポジション及び競技経験の各要因の関係性を検討することを目的として, サッカーの競技経験(経験年数:15.6±3.3 年)を有する大学院生 18 名を対象にアンケート 調査, 質問紙調査及び創造性テストを実施した。その結果, 一般的な創造性と MW 傾向や 競技レベル, ポジションとの関係性は示されなかったが, ポジションの違いによって MW 傾向が異なる可能性は示唆された。本検討より, サッカーにおける各要因の関係性を検討 するには, サッカーに特化した創造性の課題や MW の尺度を利用することが望ましいと推 察された。