著者
東 淳樹 長井 和哉
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

ミサゴは、ダム湖という人工的な環境で人為的に移植放流された外来魚に依存して生息分布を拡大している可能性があり、看過できない事態と言える。本研究では、本種の従来の生息地である沿岸部と比べて、ダム湖のほうが本種の繁殖成績がよいとの仮説をたて、その検証を試みる。巣内カメラによる給餌生態、巣立ち雛数や栄養状態、直接観察による採餌生態と採餌環境、GPS送信機による環境利用、移動分散、渡り、遺伝的多様性と遺伝的構造の解析、腸内細菌叢の遺伝子解析による個体の健康状態等について調査を行う。それらの知見を得ること、そしてそれをもとに健全な水域生態系を取り戻すための指針を打ち出すことを目的とする。