著者
長内 優樹
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.187-191, 2017-03-31 (Released:2018-12-03)
参考文献数
6

日本の労働市場において事業者(使用者)が労働者にもとめるいわゆる「やる気」の指す意味の一端を探るために求人情報誌において「やる気」を応募条件に掲げる事業者の特徴を事例的に明らかにすることを目的とした。結果として、求人情報誌において「やる気」を応募条件に掲げる事業者は、「建設・採掘の職業」または「サービスの職業」を事業とし、「やる気」を重視すること、時に「やる気」を経験より優先、または経験を不問とするものとして捉えていることを明示する特徴を持っていることが仮定された。
著者
長内 優樹 内間 望 オサナイ ユキ ウチマ ノゾミ
出版者
神奈川大学経営学部
雑誌
国際経営論集 = International Management Review (ISSN:09157611)
巻号頁・発行日
no.62, pp.167-172, 2021-10-31

現在、日本の心理学において質問紙調査法は、実験法よりも多く用いられている。質問紙調査法において、研究参加者の負担の軽減は、研究者が遵守すべき倫理的配慮の代表的な事項といえる。そこで本研究では、典型的な質問調査法の実施(N=403)の際に、「あなたが考える改善案」として、回答の負担に関する事項を間接的に把握するための質問項目を設けた。本研究で、この質問項目への回答を分析した。その結果、「質問項目数が多い」「意味的に重複する項目が多い」といった回答が多くみられた。これは、質問紙調査における心理尺度の構成においては、ある程度は必要条件とされるものであるが、心理学専攻の研究参加者においても同様の回答傾向がみられた。こうした結果は、学術上は正統とされる質問紙調査法についての論理と、研究参加者が回答時に容認可能な調査の形式(本研究では、質問紙調査に対するしろうと理論と呼ぶ)に隔たりがあることを示唆している。研究ノート