著者
長坂 英明 川中 普晴 山本 晧二 鈴木 清詞 高瀬 治彦 鶴岡 信治
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.739-742, 2012 (Released:2013-07-25)

近年,認知症を患う高齢者数の増加が医学的・社会的な問題となっており,認知症の予防・改善は重要な課題である.これらの課題を解決する手法の一つとして,現在,ロボットセラピーが注目されている.一方,認知症の進行度を評価する方法として対面式の認知症チェックテストが実施されている.しかしながら,これらの方法では「テストである」ことを対象者が意識してしまうため,緊張等から普段とは異なる回答を行う可能性がある.また,対象者の中にはテスト自体に嫌悪感を抱く人も少なくない.そのため,認知症チェックテストは対象者に意識されることなく実施できることが望ましい.そこで本研究では,対象者にテストを行っていることを意識されないような認知症の進行度評価システムの構築について検討する.ここでは,会話型ロボットとの簡単な会話から被験者の認知症の進行度を評価するシステムを試作し,評価実験を行った.本稿では,試作したシステムについて紹介するとともに,その有効性と問題点についても議論した.