著者
長屋 茂喜 宮武 孝文 藤田 武洋 伊藤 渡 上田 博唯
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.568-576, 1996-04-25
被引用文献数
51

本論文では, シーンの構造や照明条件が大きく変化する環境下で, 映像中から移動物体を検出する新しい方式を提案する. 本方式の特長は, 各フレーム画像の移動物体領域を探索する代わりに, 時間相関の変化パターンを用いて映像中での移動物体が存在する時間区間を判定する点にある. 本方式はリアルタイムで移動物体を検出でき, 天候 (雨・雪など) や照明条件等の環境の変化に対してロバストである. また, カメラ位置や移動物体の進行方向等の制約がほとんどない. 屋外全天候・昼夜間を含む踏切映像 (撮影期間1年) から選択した代表的な六つのシーン (各10分合計60分) に対して評価実験を行い, 1組の固定したしきい値だけで, 大幅な環境変動が生じる映像に対して, 95%の正検出率を得た.