著者
長島 久幸 茂木 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.627, pp.13-18, 2003-01-27

日常生活において、我々は日々多様な運動を連続的に行っている。その運動を微視的に観察すると、人の意思に反して、その運動を躊躇したり、その軌道を他の物の方向に変えてしまったりするなどの、無意識的な運動が起こることがある。このような現象をmicroslipsとよぶ。このmicroslips発生前後の手の軌道や形をデータグローブを用いて定量的に解析した結果、microslipsの発生は軌道のデルタ関数的な曲率変化によって特徴づけられ、その前後は通常の運動と区別できないということが判った。 また、それまでの運動が修正されてはじめて今までなされた運動がmicroslipsであると知覚されることもわかった。