著者
篠田 喜一 佐藤 正喜 輿石 義雄 長根 尉 中尾 正明 西村 寧 小出 桂三 越川 昭三 山根 至二 日高 三郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.2, pp.215-223, 1987-02-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
45

尿毒症の原因について,化学物質の面から探求する目的で,腎不全患者血漿中の特異成分の解明を試みた。すでに報告したように,薯者らは水系高速液体クロマトグラフィーにより,腎不全患者血漿中に特異的に検出されるピーク(ピーク2a)を見いだし,これが,尿毒症毒素を含む可能性のあることを示した。本報では2a画分について,紫外吸収成分をさらに分離し,その構成成分の同定に供した。その結果,表1に示した10成分を解明するとともに,これらの尿毒症毒素としての可能性について考察した。2-デオキシ-2,3-デヒドロ-N-アセチルノイラミン酸,N2-フェニルアセチルグルタミン,キノリン酸はヒトの代謝産物であり,その生物学的活性から,尿毒症毒素としての可能性が示唆された。そのほか,4-[[(カルボキシメチル)アミノ]カルポニル]フェニルβ-グルコピラノシドウロン酸は,そのオルト異性体が尿毒症毒素としての可能性が指摘されており,注目すべき物質と考えられた。