著者
長沼 悠介 立花 潤三 後藤 尚弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.II_351-II_359, 2014 (Released:2015-02-28)
参考文献数
27

本研究では,代表的な食料8種類について,食料供給システム(食料生産・流通・消費)における食料フローを解析し,1965年から2005年までの各消費量,食品ロス量,食料供給に係る投入エネルギー及び二酸化炭素排出量を明らかにした.二酸化炭素排出量は2005年において約5,400万t-CO2(日本の二酸化炭素総排出量の約4.5%)であることが明らかになった.また,国民が摂取した熱量(摂取熱量)と食料供給に要した熱量(投入エネルギー)の乖離幅と食品廃棄物量に関係があることが明らかになった.そして,必要とする栄養素量を満たしながら,投入エネルギーが最も少ない低炭素型の食生活を線形計画法によって明らかにした.その結果,穀類・豆類・肉類等の摂取を増加し,野菜類・魚介類等の摂取を減少させる解が得られた.この食生活を日本人全員が行うと,年間で約500万t-CO2の削減が可能である.