著者
長瀬 健介 中井 検裕 沼田 麻美子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.1030-1037, 2016-10-25 (Released:2016-10-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

東京では駅を中心に作られた街が多く、異なる路線の複数駅が近距離に位置する地域では各駅が相互に影響しながら街の発展に貢献してきた。複数駅に挟まれた地域では都市整備のあり方として駅間を一体的に見た発展の可能性が考えられる。東京都郊外地域において駅間の距離が1km以内で住宅地を挟んでいるものを除く67ペアを商業地の連続性により分類し、駅のペアの特徴についての分析、街の歴史的発展過程や自治体による複数駅を一体的に見た施策の調査を行った。その結果、駅間が連続的に発展している地区の多くは両駅の規模の差が小さく、戦前に開業していたことがわかった。一方、同様の条件のペアで駅間が発展していないものもあり、そのような地域では一体的に見た拠点整備が望まれる。