著者
藤原 誠 道上 達男 箕浦 高子 青木 誠志郎 片山 光徳 坂山 英俊 柴尾 晴信 関本 弘之 長田 洋輔 福井 彰雅 水澤 直樹
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.312, 2007

昨春、新学習指導要領(いわゆるゆとり教育)による高校教育を受けた学生が大学に入学した。東京大学では、これに関連して以前から大学1,2年次における教育のあり方を検討するとともに、論理(モデルを立てる)と実証(実験によって確かめる)のサイクルを伴う自然科学導入プログラムの開発に取組んできた。<br>東京大学教養学部生物部会においては、従来の生命科学系(東京大学では理科2類、3類)学生対象の実習「基礎実験(生物)」の内容を吟味し、新たに「基礎生命科学実験」として新規3種目の開発を含む全11種目の全面的改訂を行った。また、今春から生命科学系の学生に加えて文系と理工系(理科1類)の学生にも実習選択の門戸が開かれるのにともない、教育背景が多様な学生にも効果的に実習内容を伝えられる教科書副教材(DVD教材)を作製した。<br>本大会では、「基礎生命科学実験」の植物関連種目である、(1)電気泳動による光合成関連タンパク質の分離、(2)植物の多様性と生殖(クラミドモナスの接合、シダ植物の世代交代、テッポウユリの花粉管伸長)、(3)被子植物の維管束構造の紹介も含めて、我々の取組みを発表する。
著者
長田 洋輔
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

骨格筋の修復や再生は骨格筋幹細胞である筋衛星細胞によって行われる.本研究ではマウス筋衛星細胞由来の細胞株C2C12の培養によって生じるリザーブ細胞を休眠状態の筋衛星細胞のモデルとして使用し,リザーブ細胞形成に関与する因子を探索した.アダプタータンパク質Grb2,Sos1,Rasがリザーブ細胞形成に必要であること,Grb2の強制発現はリザーブ細胞形成を促進し,恒常活性型Sos1およびRasの強制発現はリザーブ細胞形成を抑制することを明らかにした.これらの結果はGrb2-Sos1-Rasはリザーブ細胞形成に必須であるが,過剰なシグナルはリザーブ細胞形成に対して抑制的に働くことを示唆している.