著者
長谷川 伸三
出版者
小樽商科大学
雑誌
商学討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2/3, pp.83-109, 1982-12-28
著者
長谷川 伸三
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
no.43, pp.51-70, 2006-03

京都豊年踊りとは、天保10年(1839)3、4月京都市中におこった熱狂的な踊り現象をさす。本稿では、この豊年踊りの絵画資料を概括し、その伝播過程や絵画の共通性や特異性を検討する。まず木版刷りの史料を検討した。京都で発行された一枚刷り「豊熟都大踊」「みやこおどり 鈴なるこの神徳」(大阪府立中之島図書館)や木版本『町々吉兆都繁栄』(早稲田大学附属図書館)は、この踊りの情報を各地へ伝える役割をはたした。たとえば後者は、『天保雑記』(国立公文書館内閣文庫)や『藤岡屋日記』(東京都公文書館)にそのまま書写されている。次に図巻・屏風の資料を検討した。図巻としては、「蝶々踊図巻」(大阪歴史博物館)と「天保十年豊年踊図巻」(チェスター・ビーティ・ライブラリー、アイルランド共和国ダブリン市)が双璧をなす。また「天保踊図屏風」(京都市歴史資料館)について、写真をかかげ、関連史料と合わせて紹介した。最後に冊子のさし絵を検討した。なかでも「天保視聴記事」(愛知県西尾市立図書館岩瀬文庫)のさし絵は図巻に匹敵し、『天保踊之記』(愛知県大洲市立図書館矢野玄道文庫)は、踊りに使われた衣装や提灯・手燭を図入りで説明している。これらの資料は、文字資料(文書・記録)とあわせて、豊年踊りの実状を詳細に明らかにするであろう。
著者
佐久間 貴士 長谷川 伸三 荒武 賢一朗
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.274-282, 2008-01-31

?珹寺は奈良時代に創建され、平安時代に紀有常が再興したと伝えられている。本尊は女人裸形阿弥陀仏で、五十年に一回衣替えをする時に公開した秘仏といわれている。 この?珹寺で二〇〇五年から地域文化センターと日本文化史学科の共同事業で、?珹寺(紀寺)総合学術調査を実施してきた。 調査は現在古文書調査と発掘調査を行っている。古文書調査は住職下間家に伝来したものを整理しており、近世から近代にかけての宗教史について、貴重な資料が多数見出されている。本論では、?珹寺についてのこれまでの研究を整理し、新史料から下間頼和と石田敬起についての紹介を行った。 また発掘調査では奈良時代の瓦が多量に出土したことから、?珹寺が奈良時代創建であることが確実となった。