著者
長谷川 義朗 高橋 洋子 日比野 靖 長沢 悠子 尾松 純 山賀 谷一郎 中嶌 裕
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.375-381, 2007-11-25
被引用文献数
4

試作セメントの透明度の違いによる上部材料への色調の影響を調べた.実験には5種類の酸化チタンの配合量を変えたセメントを用いて,上部材料にセラマージュを2種類と支台歯材料にダイカラーチェッカーを2種類使用した.測定はそれぞれの材料を重ね合わせ分光測色器にて行った.なお酸化チタンが無配合のものをコントロールとした.その後,得られた結果から色差を算出した.結果は,支台歯材料と上部材料がともに明るい,または暗いときセメントの透明性を変化させても色差に変化はほとんど見られなかった.しかしながら,支台歯材料が暗く上部材料が明るいとき,セメントの透明性が低下すると上部材料の色調に影響を与えた.上部材料の色調はセメント層の透明度だけでなく,支台歯材料の色調にも影響されることが推察された.