著者
長谷川 義朗 高橋 洋子 日比野 靖 長沢 悠子 尾松 純 山賀 谷一郎 中嶌 裕
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.375-381, 2007-11-25
被引用文献数
4

試作セメントの透明度の違いによる上部材料への色調の影響を調べた.実験には5種類の酸化チタンの配合量を変えたセメントを用いて,上部材料にセラマージュを2種類と支台歯材料にダイカラーチェッカーを2種類使用した.測定はそれぞれの材料を重ね合わせ分光測色器にて行った.なお酸化チタンが無配合のものをコントロールとした.その後,得られた結果から色差を算出した.結果は,支台歯材料と上部材料がともに明るい,または暗いときセメントの透明性を変化させても色差に変化はほとんど見られなかった.しかしながら,支台歯材料が暗く上部材料が明るいとき,セメントの透明性が低下すると上部材料の色調に影響を与えた.上部材料の色調はセメント層の透明度だけでなく,支台歯材料の色調にも影響されることが推察された.
著者
松原 義治 山賀 谷一郎 辻川 康二 若林 昭二
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.849-852, 1970-08-01 (Released:2009-11-16)

従来合成されたアセタールは低分子量のアルコキシ基に限られているので, さらに高い保留効果を期待して大きいアルコキシ基を持ったアセタールとその誘導体の合成を行なった。シトロネラール (1) を母体としてシトロネロール (2), ゲラニオール (3) を用いてシトロネリノレ (4), ゲラニル (6) アセタール, あるいは (2), (3) の混合アセタール (5) を合成し, さらに (4), (5), (6) の飽和アセタール (8), (8) から誘導されるアルキノレビニルエーテル (10), その飽和エーテル (11), を合成した。 (4), (5), (6) は硫酸, リン酸, ギ酸水溶液などで冷却下, 分解するともとの (1), (2), (3) が, (8) からはジヒドロシトロネロール (7) が得られる。また (4), (5), (6), (8) を水素で分解すると (7) が得られる。(4), (5), (6), (8) はいずれもヒドロキシシトロネラールようのおだやかな花香を持ち, bp200℃/1mmHg以上で, 保留効果の優れた皮ふ刺激のない安定な香料として有用と思われる。