著者
長谷部 将大 古桧山 建吾
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.351-358, 2021-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
13

今回,回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期病棟)に入院した3事例に対して,「作業機能障害の種類と評価(以下,CAOD)」を用いて,作業機能障害の重症度に着目した価値のある作業に根ざした実践を行った.3事例は異なる経過を辿るも,3事例とも作業機能障害の重症度は改善を示した.そして,その経過を比較検討した結果,作業機能障害の重症度は事例の作業環境や作業の特性によって変動しやすく,対象者に作業を提供する際にはそれらを考慮することが重要になると考えられた.また,回復期病棟の対象者に対して,CAODによって作業機能障害の重症度を測定し,それを活用することは,多職種連携を促進する要因になる可能性があった.
著者
酒井 四季子 古桧山 建吾 長谷部 将大
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.670-677, 2023-10-15 (Released:2023-10-15)
参考文献数
12

今回,回復期リハビリテーション病棟に入院した超高齢の2事例へ,CAODを用いた作業機能障害の改善を目指した作業に根ざした実践を行った.2事例は整形疾患を受傷し,ADLに介助が必要な状態であった.認知機能が良好なA氏は目標共有がしやすかった.一方,認知機能の低下を認めたB氏はA氏より作業の意味に気づきにくく,作業機能障害の改善にも時間を要した.視覚的な情報を用いて作業の再認識をすることで,A氏と同様に作業機能障害の改善を認めた.CAODを用いた作業機能障害の改善を目指した介入は対象者の作業の問題を捉えやすくし,超高齢事例の作業療法を展開するうえで有用な視点の一つになると考えられる.