著者
長谷部 晃 豊田 有希
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.106-109, 2021-03-15

医科学研究における微生物学では,ロベルト・コッホの時代から,感染症の原因病原体について明らかにすること を目的とした病原微生物の研究がなされてきた.それらはいわゆる「コッホの原則」が成り立つ,感染症-病原体の 関係に基づいた病原体の研究が中心であったが,近年,宿主との共生体としての常在細菌叢の役割が注目されており,特に腸内細菌叢についての研究が盛んに行われている.腸内細菌叢が全身に様々な影響を与えていることが明らかとなっていることから,消化管の細菌叢として口腔細菌叢も注目されてきている.というのも,口腔常在菌が嚥下により腸内細菌叢に影響を与えることで全身の健康状態に関与している可能性があり,また逆に,全身の健康状態が口腔常在菌叢を反映している可能性もあるからである.本稿では,口腔常在菌叢や腸内細菌叢と全身の状態の関 係について最近明らかにされていることを簡単に概説し,さらに我々の最新の知見について紹介する
著者
長谷部 晃 佐伯 歩
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

口腔カンジダ症の原因病原体のCandida albicansが、なぜ口腔内に常在できるのか不明である。我々は、C. albicansの経口摂取がそれに対する経口免疫寛容が誘導するからではないかと考えた。経口免疫寛容とは、食物に免疫反応が起こらないのと同様に、口から摂取された異物に対して免疫反応が起こらないシステムのことである。そこで、経口的にC. albicansを若いマウスや高齢のマウス、TLR2遺伝子欠損マウスに摂取させたがC. albicans特異的血中抗体に対する免疫抑制を誘導せず、TLR2の有無もC. albicansに特異的な抗体産生誘導には影響しないとわかった。
著者
長谷部 晃 柴田 健一郎
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.230-232, 2012-03