著者
小泉 敬一 勝又 庸行 星合 美奈子 戸田 孝子 喜瀬 広亮 長谷部 洋平 森口 武史 松田 兼一 杉田 完爾
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
日本小児循環器学会雑誌 (ISSN:09111794)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.246-253, 2015-09-01 (Released:2015-12-04)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

背景:当施設で施行した重症川崎病に対する持続的血液濾過透析併用緩徐血漿交換療法(SPE+CHDF)の有用性と安全性について報告する.方法:当施設でIVIG不応性重症川崎病に対してSPE+CHDFを施行した12例を後方視的に検討する.結果:SPE+CHDFを12例13コース施行した.SPE+CHDF施行前の心機能検査所見は,ANP値,BNP値,心胸郭比がすべて高値であった.SPE+CHDF施行前と比較した施行1時間後,3時間後の心拍数の変化率,収縮期血圧の変化率は共に有意差はなかった.SPE+CHDFを施行中に,強心剤の使用例や血管内カテーテル感染,人工呼吸器関連肺炎合併例はなかった.全例でSPE+CHDF開始後1~4日(中央値1日)で解熱した.SPE+CHDF施行前に冠動脈病変を認めた7例は,1年以内に全例で退縮した.結論:重症川崎病には血漿交換療法(PE)が有効である.しかし,重症川崎病は循環動態不良例が多く含まれている.このため,重症川崎病に対して安全にPEを行うためには,SPE+CHDFが有用な方法の一つである.
著者
氏家 愛子 長谷部 洋 千葉 美子 柳田 則明
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.163-169, 2007
被引用文献数
11

食品中のサッカリン(SA),ソルビン酸(SOA),安息香酸(BA),パラオキシ安息香酸エチル(PHBA-Et),同イソプロピル(PHBA-isoPr),同プロピル(PHBA-Pr),同イソブチル(PHBA-isoBu)および同ブチル(PHBA-Bu)について,超音波および振とう抽出を前処理に用いたHPLC-PDAによる一斉分析法を検討した.抽出溶媒に,アセトニトリル-水(1 : 1)を使用した添加回収率は 78∼120% であり,従前の方法で回収率の低い傾向が見られた魚介類乾製品のSAは96%,高タンパク質食品のPHBA-Esは86∼89%,高油脂含有食品のPHBA-Esは 80∼92% と大幅に改善できた.本法の定量下限値は10 μg/gであった.また,これらの同定法として,LC/ESI-MS/MS-MRM分析について検討を行い,ネガティブモードでのプリカーサーイオン>プロダクトイオンを用いて同定できた.HPLC分析での保持時間が近接する異性体のPHBA-isoPrとPHBA-Pr, PHBA-isoBuとPHBA-Buも分別して同定可能であった.