著者
門上 希和夫 柳 哲雄 高尾 雄二 安井 英斉
出版者
北九州市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

中国大陸から河川経由で排出される化学物質の日本周辺海域への影響を検討するため,長江河口域で2012年度に2回河川水を採水し,網羅分析とターゲット分析を組み合わせて約1270物質を分析した。検出物質数は167物質,検出濃度は0.79~7.26 ug/Lであった。検出濃度と河川流量を用いて東シナ海へ排出される年間排出量を計算した結果,最低でも1年間に4460トンが流出していると推計された。東シナ海において長江の影響が最も大きいと考えられる地点では,河川水が1/11を占めていると計算され,本調査で得られた濃度では生態影響を及ぼす可能性は低いと考えられた。