著者
門脇 むつみ
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲(1716~1800)について、禅宗との深い関わりに注目し若冲の画業と生涯のより確かな把握を目指すものである。若冲に関しては多くの研究が蓄積されているが未だ解明すべき課題は多い。禅宗との関わりはその大きな鍵と考えられる。本研究は若冲作品に認められる同時代の禅僧による賛の読解の集積を踏まえて画像を検討し個々の作品を読み解くとともに、直接交際があったとみなせる禅僧との関係やその詩文集の考察を徹底し、若冲と禅宗との関わりを考察する。また、画賛講読の研究会を通じて美術史の若手研究者の画賛読解能力の養成をはかることも目的としている。