著者
関 友作 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.141-150, 1994-01-20 (Released:2017-10-20)
被引用文献数
2

学習メディアとしてのテキストを対象に,箇条型の情報提示が,読み手の内容理解に与える影響を研究した.具体的には,項目型の情報について,(1)各項目を箇条に分けて,リストの形で提示した場合(箇条群)と,(2)各項目を文中に埋没させて提示した場合(埋没群)とで,どのように理解に違いがみられるかを,印刷メディアを材料として実験調査した.実験では,テキスト読解後に内容についての再生を求めた.被験者の再生文を得点化した結果,箇条群の方が埋没群より,内容理解にすぐれていることがわかった.また,項目の再生順序については,埋没群の方が箇条群よりも,テキストの提示順序に近くなることがわかった.この理由として,次のことが示唆された.(1)リスト形式(箇条型)のテキストは,そのレイアウトにより,あらかじめテキスト構造についての情報を読み手に与える.(2)リスト型提示は,情報への自由なアクセスを,視覚的に可能にする.これらの点を,先行研究との関連の中で考察した.
著者
関 友作 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.97-108, 1996
参考文献数
29
被引用文献数
8

本研究では,テキストにおけるレイアウトとしての段落表示が,内容理解に与える影響を調べた.実験では,段落の設定を変えた3種類のテキストを用意し,それぞれの再生成績を比較した.テキストは,1)正しく段落づけしたもの(正段落),2)誤った段落づけをしたもの(誤段落),3)段落のないもの(無段落),の3種類であった.再生成績は,正段落,誤段落,無段落の順であり,正段落と無段落の間に有意差があった.これは,全体の再生だけでなく,要旨の再生についても同じ結果であった.このように,正しい段落設定が内容理解を高めるのは,段落が文章を視覚的に分節化することにより,読み手に次のような読解方略を促すためであると推察された.つまり,1)段落ごとに内容を体制化し,ポイントを把握する;2)段落間の関係をもとに文章構造を理解する,という方略である.このような方略の利用が,読み手の内容理解を促進すると考えられた.
著者
関 友作 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.97-108, 1996-09-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
29
被引用文献数
3

本研究では,テキストにおけるレイアウトとしての段落表示が,内容理解に与える影響を調べた.実験では,段落の設定を変えた3種類のテキストを用意し,それぞれの再生成績を比較した.テキストは,1)正しく段落づけしたもの(正段落),2)誤った段落づけをしたもの(誤段落),3)段落のないもの(無段落),の3種類であった.再生成績は,正段落,誤段落,無段落の順であり,正段落と無段落の間に有意差があった.これは,全体の再生だけでなく,要旨の再生についても同じ結果であった.このように,正しい段落設定が内容理解を高めるのは,段落が文章を視覚的に分節化することにより,読み手に次のような読解方略を促すためであると推察された.つまり,1)段落ごとに内容を体制化し,ポイントを把握する;2)段落間の関係をもとに文章構造を理解する,という方略である.このような方略の利用が,読み手の内容理解を促進すると考えられた.
著者
関 友作
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.17-20, 1997-08-20
被引用文献数
13

テキストのレイアウトが, 読み手の内容理解に与える影響を調べた.具体的には, レイアウト手法としての箇条書と, キーワードの強調をとりあげ, それらが内容理解に対して, どのような影響をもつか, 実験により調べた.実験では, 箇条書とキーワード強調の有無で, レイアウトにちがいをもたせたテキストを, 別々の被験者群に読んでもらい, 再生テストにより, 内容の把握を比較した.その結果, キーワードの強調は強調内容の再生を高め, また, 箇条書は, それ以外の内容についての再生を高めることがわかった.つまり, 内容上のポイントを強調すること, 箇条書で文章構造を明確にすることの有効性が, それぞれ確認できた.