著者
関 友作 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.97-108, 1996
参考文献数
29
被引用文献数
8

本研究では,テキストにおけるレイアウトとしての段落表示が,内容理解に与える影響を調べた.実験では,段落の設定を変えた3種類のテキストを用意し,それぞれの再生成績を比較した.テキストは,1)正しく段落づけしたもの(正段落),2)誤った段落づけをしたもの(誤段落),3)段落のないもの(無段落),の3種類であった.再生成績は,正段落,誤段落,無段落の順であり,正段落と無段落の間に有意差があった.これは,全体の再生だけでなく,要旨の再生についても同じ結果であった.このように,正しい段落設定が内容理解を高めるのは,段落が文章を視覚的に分節化することにより,読み手に次のような読解方略を促すためであると推察された.つまり,1)段落ごとに内容を体制化し,ポイントを把握する;2)段落間の関係をもとに文章構造を理解する,という方略である.このような方略の利用が,読み手の内容理解を促進すると考えられた.

言及状況

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こんな論文がありましたのでチェックしてみたいと思います。 CiNii 論文 -  テキストにおける段落表示が内容理解に与える影響 https://t.co/u6UWwFabdA

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