著者
正岡 元 関 顕生 岸場 清悟 近堂 徹 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.161-166, 2009-02-26

近年,LinuxやFreeBSDなどUnix系OSの配布などで,BitTorrentをはじめとしたP2P型のファイル共有ソフトウェアが利用されている.P2P型のファイル共有プロトコルでは,ノードのアドレス変更や切断にある程度対応するための仕組みが含まれている.しかし,多くのノードが移動している場合など,アドレスが頻繁に変更される場合,転送効率が低下し,高速なネットワークであってもその帯域を十分利用できない.一方,ネットワークを移動してもセッションを中断することなく通信を継続できる技術として移動透過通信がある.移動透過通信を利用しP2P型ファイル配布を行うことで,ファイル転送の速度向上を実現することができる.本稿では,移動透過通信を利用した場合のP2P型ファイル配布時間を測定することにより,多くのノードが頻繁に移動する環境におけるファイル配布方式について評価する.