著者
井上 博之 田代 渉 近堂 徹 西村 浩二 前田 香織
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.74, pp.31-36, 2008-05-23
参考文献数
7
被引用文献数
2

気象情報のセンシングとその表示に関して,広島市で行っている取り組み内容を中心を報告する.特にCO2濃度については市内の数カ所で長期間に渡る測定を行っており,その表示としてWebページによる提供や高解像度ディスプレイを使用したCO2濃度表示装置を公共場所に設置している.また,広島市立大学学内には,休講情報などの学内コンテンツを同時に表示する電子掲示板を開発し,約半年間の運用で得られた結果について報告する.その結果から,数値のみのCO2表示装置を広島市立広島工業高校とともに開発した事例等を紹介する.
著者
相原 玲二 大塚 玉記 近堂 徹 西村 浩二 前田 香織
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. QAI, [高品質インターネット] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.159-166, 2001-11-20

広帯域IPv6インターネット上での高品質画像伝送を行うため、マルチキャスト等に対応するMPEG2伝送システムを開発した。高品質画像をリアルタイムに伝送するには、パケットロスや伝送遅延ゆらぎのないネットワークが要求されるが、現実には実現困難であり、前方誤り訂正(FEC)機能等を持つ伝送システムが必要となる。本稿では、開発したFEC機能を持つMPEG2 over IPv6システムについて述べる。また、アフリカ南部で観測された皆既日食のJGN回線などを利用した中継実験について紹介する。この実験では、全国9地点(広島を除く)および広島市内4地点へMPEG2画像をIPマルチキャストにて伝送し、合計700名以上の参加者が2時間にわたりその中継映像を観察した。その際得られた実測データをもとに、誤り訂正機能が極めて効果的に機能したことを示す。
著者
西村 浩二 大東 俊博 岩沢 和男 隅谷 孝洋 稲垣 知宏 中村 純 宮内 祐輔 三戸 里美 相原 玲二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.2, pp.1-6, 2012-06-21

広島大学では,年々増加する情報セキュリティインシデントに対応するため,平成 23 年度より全学生を対象とする情報セキュリティ・コンプライアンス教育を開始した.本教育は,在籍 1 年目の新入生に対するフレッシュマン講習と在籍 2 年目以降の学生に対するフォローアップ講習から成り,それぞれ対象者の 90% 以上が受講した.本論文では,それぞれの講習の内容および実施状況について報告し,本教育の効果および課題を考察する.また平成 24 年度の実施計画および実施状況について述べる.In order to respond to the security incidents increasing year by year, Hiroshima University has started the Information Security and Compliance Course for all students from FY 2011. This course consists of the freshman course for the students enrolled in the first year and the follow-up course for the students enrolled more than two years, and more than 90% of the students had attended each course, respectively. In this paper, we describe the content and implementation status of each course performed in FY 2011 and discuss the effect and issues of this implementation. We also describe the plan for FY 2012 and its status.
著者
高橋 朋也 渡邉 英伸 西村 浩二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.6, pp.1-7, 2022-07-05

音声認識技術や自然言語処理技術の向上により,スマートスピーカを利用して音声による家電の操作やショッピングが可能となっている.現在のスマートスピーカは,1 名あるいは特定の数名がプライベートな空間で利用されることを前提としており,音声プロフィールや確認コードによる発話者の識別やスキル・アプリと呼ばれる機能を用いた音声操作を制御することが可能である.一方で,利用者が多数になる場合や利用者の申請を責任者が許可する承認プロセスなど,関係者の上下関係を考慮した操作を可能とするには不十分である.今後パブリックな空間への利用拡大が見込まれることも考慮し,音声アシスタントの認証認可機能を高度化する必要がある.本研究では,スマートスピーカが置かれている環境やその他のシステムから得られる情報との連携を行う外部連携システムの開発を行っている.本稿では,買い物スキルを対象に利用者の認証や関係者の上下関係を考慮した承認プロセスを追加する手法を提案する.評価結果より,提案手法を追加することによる処理時間の増加が数秒程度で実現できることを示す.
著者
山越 大雅 田島 浩一 近堂 徹 渡邉 英伸 岸場 清悟 西村 浩二 相原 玲二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.8, pp.1-7, 2021-05-06

脆弱性診断は,Web コンテンツ,コンピュータ,ネットワーク等に対して擬似攻撃を行い,内部に潜む脆弱性を発見する診断であり,昨今のサイバー攻撃の脅威に備えるために世界中のあらゆる組織で必要不可欠なものとなっている.一般的に,診断結果には脆弱性が危険度によりレベル分けされており,それがそのまま対策の優先度として利用されているという問題点が指摘されている.この問題に対して本研究では,セキュリティインシデントにつながる可能性を元に対策の優先度を評価し,反映した診断結果を提供する脆弱性評価システムを開発した.脆弱性評価システムでは,脆弱性診断により得られる診断結果を対象とし,診断結果に含まれるCVE(脆弱性の識別子)などの識別子や脆弱性情報として公開されている NVD および JVN のデータベース等を用いて評価を行う.また,広島大学で実施している脆弱性診断の診断結果を処理対象として例を示す.
著者
渡邉英伸 西村浩二 合田憲人 吉田浩
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.102-111, 2019-09-17 (Released:2019-09-17)
参考文献数
16

情報システムのクラウド化は学術機関でも求められており,クラウドサービスを導入検討・利活用している学術機関は増えてきている.一方で,情報セキュリティの不安を払拭できずにクラウド化を進めている学術機関も少なくない.本研究では,情報セキュリティガバナンスの現状とクラウドサービスの利用状況を客観的かつ定量的に評価するための評価モデルおよび質問事項を提案し,2016年度から3年間にわたり学術機関における情報セキュリティガバナンスの実態調査を実施してきた.本稿では,実態調査の結果より,学術機関の情報セキュリティガバナンスの現状を定量的に把握することが自組織の情報セキュリティガバナンスの水準の向上・維持に有効であることを示し,情報システムのクラウド化には組織としての情報セキュリティガバナンスの成熟が重要であることを述べる.
著者
鎌田恵介 近堂徹 西村 浩二 相原 玲二
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1061-1070, 2013-03-15

仮想化技術の発展を背景に,継続的なシステム運用を目的として,規模や負荷に応じて仮想計算機の構成を動的に変更できるライブマイグレーションが注目されている.また,同一ネットワーク内に限定されているライブマイグレーションを拡張し,IP移動透過性を持つグローバルライブマイグレーションも提案されている.しかし既存方式では,その対象がIPユニキャスト通信のみであり,IPマルチキャストの移動透過性まで実現できていない.そこで本研究では,仮想計算機上でマルチキャストとユニキャストを組み合わせて利用する移動透過IPマルチキャスト方式について提案し,プロトタイプシステムを用いた基本性能評価について述べる.評価結果より,ネットワークセグメントが異なるマイグレーションにおいても,同一ネットワーク内のマイグレーションと同等の途絶時間に短縮できることを確認した.Virtualization technologies are widely used, and include Live Migration which changes resource allocation for virtual machines according to scale or load. In addition, Global Live Migration with IP mobility is also proposed. It enables migration among distributed sites and provides continuation even if the network of the virtual machines was changed. However, it supports only IP unicast communication, not IP multicast communication. In this paper, we propose a mobility support mechanism for IP multicast on virtual machines, and evaluate its basic performance using prototype system. As a result, the proposed method provides migration function continuously receiving multicast stream stopped same as traditional Live Migration.
著者
渡邉 英伸 大東 俊博 近堂 徹 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.893-901, 2010-07-01
被引用文献数
1

仮想計算機(VM)を別の物理計算機上へ移動させる際,VMの処理中断時間を極力短くするライブマイグレーションが注目されている.ライブマイグレーションを拡張し,IP層における移動透過通信機能(IPモビリティ)をもたせることで,別ネットワークへの移行を可能にするグローバルライブマイグレーションが提案されている.しかし,既存方式ではVMの再構築時にIPモビリティ処理が実行されるため数秒以上の通信途絶が発生し,ライブマイグレーションとしての性能を達成できていない.本論文では,VMに複数のネットワークインタフェースをもたせ,マイグレーション前に未使用のインタフェースにあらかじめネットワーク設定を行うことで,通信途絶時間を大幅に短縮可能なグローバルライブマイグレーション方式を提案する.更に,本手法を実装し性能評価実験を行った.その結果,通信途絶時間が1秒以下であることを確認した.
著者
梶原 大輔 上浦 大智 藤田 貴大 前田 香織 相原 玲二 西村 浩二 岸場 清悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.409, pp.81-86, 2005-11-10
参考文献数
5
被引用文献数
5

MAT-MONETは筆者らが提案している複数インターフェースに対応したモバイルネットワークアーキテクチャである.本稿ではDHCPやルータ広告に相当する, MAT-MONETにおけるアドレス割当プロトコルについて述べる.また, モバイルルータが多段で構成されたモバイルネットワークにおいてモバイルルータの移動情報を配下のモバイルルータやモバイルノードに伝えるための移動通知プロトコルについて述べる.このとき, モバイルノードは複数インタフェースをもつことを前提としており, 移動通知情報にはインターフェースの優先度が含まれる.
著者
相原 玲二 大塚 玉記 近堂 徹 西村 浩二 前田 香織
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.440, pp.131-138, 2001-11-14
参考文献数
13
被引用文献数
7

広帯域IPv6インターネット上での高品質画像伝送を行うため、マルチキャスト等に対応するMPEG2伝送システムを開発した。高品質画像をリアルタイムに伝送するには、パケットロスや伝送遅延ゆらぎのないネットワークが要求されるが、現実には実現困難であり、前方誤り訂正(FEC)機能等を持つ伝送システムが必要となる。本稿では、開発したFEC機能を持つMPEG2 over IPv6システムについて述べる。また、アフリカ南部で観測された皆既日食のJGN回線などを利用した中継実験について紹介する。この実験では、全国9地点(広島を除く)および広島市内4地点へMPEG2画像をIPマルチキャストにて伝送し、合計700名以上の参加者が2時間にわたりその中継映像を観察した。その際得られた実測データをもとに、誤り訂正機能が極めて効果的に機能したことを示す。
著者
相原 玲二 岸場 清悟 近堂 徹 西村 浩二 田島 浩一
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

移動するコンピュータから複数の相手端末に対し同報通信を行うことができる移動透過マルチキャストとして、IPモビリティ通信方式から得られるIPアドレスなどのネットワーク情報を積極的に活用する移動透過アプリケーションレイヤマルチキャスト通信方式を提案した。研究代表者らが過去に提案している移動透過通信方式を、マルチキャスト通信が可能となるよう拡張し、その具体的な実装設計、プロトタイプ作成および性能評価を実施した。
著者
正岡 元 関 顕生 岸場 清悟 近堂 徹 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.161-166, 2009-02-26

近年,LinuxやFreeBSDなどUnix系OSの配布などで,BitTorrentをはじめとしたP2P型のファイル共有ソフトウェアが利用されている.P2P型のファイル共有プロトコルでは,ノードのアドレス変更や切断にある程度対応するための仕組みが含まれている.しかし,多くのノードが移動している場合など,アドレスが頻繁に変更される場合,転送効率が低下し,高速なネットワークであってもその帯域を十分利用できない.一方,ネットワークを移動してもセッションを中断することなく通信を継続できる技術として移動透過通信がある.移動透過通信を利用しP2P型ファイル配布を行うことで,ファイル転送の速度向上を実現することができる.本稿では,移動透過通信を利用した場合のP2P型ファイル配布時間を測定することにより,多くのノードが頻繁に移動する環境におけるファイル配布方式について評価する.
著者
岸場清悟 西村 浩二 相原 玲二 津久間 秀彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.80, pp.57-61, 2001-07-27

利用者への警告メール送付を主としたパスワード変更促進手法を実装し、広島大学情報メディアセンターで運用して評価を行なった。3?4割の利用者が警告に応じてパスワードを変更する成果を挙げたが、2度目以降の警告メールには利用者が慣れてしまい、警告が放置される傾向があることがわかった。We implemented promotion methods for changing users' passwords in Information Media Center, Hiroshima University, and evaluated them. One of the methods is sending mails to users who have not changed their passwords over 90 days. 30-40% users had changed their passwords at the warning. But, it emarged quantitatively that users tend to negrect the warning mail in the second time.
著者
山本 強 土居 意弘 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.440, pp.139-145, 2001-11-14

JGNが提供する超高速ネットワーク環境は配信されるコンテンツの高品質化、大容量化だけでなく、これまで実現できなかった新しいサービスを可能にすることができる。本報告では新映像フォーマットとしてネットワーク上でリアルタイム中継可能な映像フォーマットを紹介する。従来から全周映像は特殊な光学系を用いて実現されていたが、収録系が大型になること、前処理が必要な場合が多いことなどから蓄積コンテンツを対象として開発されていた。本研究ではネットワーク上でのリアルタイム中継を目的として収録系からシステムを検討し、小型かつ実時間中継可能な方式が実現できたので報告する。