著者
岡本 淳 後藤 春彦 李 彰浩 関口 信行 植田 竜司
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.150, 2005

本研究は、広告物の掲出が多い渋谷駅ハチ公前広場を対象に、広告物が人の視線を集めるための効果的な掲出の仕方と「賑わい・活気」を創出する広告物の集積の仕方について明らかにすることを目的とする。まず、室内でアイマークレコーダーを用いた注視実験を行い、広場空間において人の視線がどのように移行するのかを考察した。その結果、水平方向の移行に大きく依存し、水平方向の移行が大きくなるほど垂直方向の移行は小さくなることが明らかになった。次に広告物の注視率と見かけの大きさ(見かけ面積率)の関係をもとめた。この関係から大きくずれる広告物もあり、周辺の建築物や広告物との相互関係で注視率に影響がでることも明らかになった。次に印象評価実験を行い、「賑わい・活気」を創出する広告物群に含まれる広告物に関して分析を行った結果、それらの特徴として見かけ面積率が小さく同規模のものが集まっており、注視率も全体の平均値を下回るものが多いことが明らかになった。