著者
田中 智夫 関野 通江 谷田 創 吉本 正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.880-884, 1989-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8

緬羊における色の識別能力のうち,特に類似色をどの程度まで識別できるかを明らかにすることを目的とした.供試羊は双子のコリデール種去勢羊を用い,正刺激側のスイッチを押すと飼料が与えられるスキナー箱を自作して2色の同時弁別実験を行なった.草の色を想定して緑を正刺激とし,黄および青から徐々に緑に近付けた計7色を負刺激としてそれぞれ識別させた.各課題とも1セッション30試行とし,20セッションまで行なった.各試行ごとにおける左右のカードの交換は乱数表に基づいて行なった.x2検定により1セッション21試行以上の正解(P<0.05)を基準とし,その基準に3回連続到達した時点でその色を識別したとみなした.結果は,黄から近付けた緑に最も近い色との対比において1頭が,また,青から近付けた緑に最も近い色との対比において2頭ともが,それぞれ識別不能と判断された他は,全ての組合せにおいて識別できるものと判断できた.以上から緬羊の色覚はかなり発達しているものと思われ,色による条件付け学習を利用した管理技術の開発の可能性が示唆された.
著者
田中 智夫 関野 通江 谷田 創 吉本 正
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.880-884, 1989

緬羊における色の識別能力のうち,特に類似色をどの程度まで識別できるかを明らかにすることを目的とした.供試羊は双子のコリデール種去勢羊を用い,正刺激側のスイッチを押すと飼料が与えられるスキナー箱を自作して2色の同時弁別実験を行なった.草の色を想定して緑を正刺激とし,黄および青から徐々に緑に近付けた計7色を負刺激としてそれぞれ識別させた.各課題とも1セッション30試行とし,20セッションまで行なった.各試行ごとにおける左右のカードの交換は乱数表に基づいて行なった.x2検定により1セッション21試行以上の正解(P<0.05)を基準とし,その基準に3回連続到達した時点でその色を識別したとみなした.結果は,黄から近付けた緑に最も近い色との対比において1頭が,また,青から近付けた緑に最も近い色との対比において2頭ともが,それぞれ識別不能と判断された他は,全ての組合せにおいて識別できるものと判断できた.以上から緬羊の色覚はかなり発達しているものと思われ,色による条件付け学習を利用した管理技術の開発の可能性が示唆された.